凄い緊張感を強いられる。主人公の4人が抱えるプレッシャーをそのまま観客にも投げかけるからだ。4人と書いたが松岡茉優演じるヒロインに集約される。一応群像劇だが、彼女の視点からぶれない。原作は膨大な大作で、あれをそのまま2時間の映画にすることは不可能だ。しかも、ことばで書かれた音楽を、映画は実際の音楽として提示する。ピアノを聞かせる。その音で納得させるし、感動させなくてはならない。これは簡単なことでは . . . 本文を読む
80分という上演時間がとてもここちよい。それ以上になればきっと退屈する。あるいは、彼らの内面に立ち入ることになる。そうするとこの芝居の持つ空気が損なわれる。2人芝居である。大杉栄と伊藤野枝ということを知らずに見ていたらこれは何なのか、と戸惑うことになるかもしれない。だけど、本当はその方がいいかもしれない。誰とも知れず、とある夫婦の会話劇。3つの時間がどこにつながるのかは、わからないまま、ただなんと . . . 本文を読む