久々にホラー映画を見た。昔は劇場公開されるホラー映画ならすべて見ていたほどのマニアだったのだが、(というか、劇場公開されるホラー映画の数が知れていたから、見ることが出来たのだろう)今では、当時よりもさらに少ないにも関わらず、見ない。だって、見てもつまらないからだ。時間の無駄はしたくない。それに劇場公開は少ないけど、DVDでならすさまじい量の凡百のホラー映画が公開されている。その棚の前に立つだけでげんなりさせられる。
余談だが、僕はリアルタイムで『エクソシスト』を見た世代だ。あの頃はまだ、中学生だった。梅田東映パラスで、超満員の中で見た。昔は大きな劇場がたくさんあった。大ヒットしている劇場はもうラッシュの電車の中のような状態で、映画館は悲鳴で、僕はその後、3日ほど、うなされた。でも、それから映画に目覚めた。あれはそんな記念碑的作品。その後、80年代後半まで、ホラーはすべて見た。
そんなこんなで、かつてのホラー博士だった僕なのだが、今はまるでお留守だったのに、今回なんだかすごい映画に出会えそうな予感がして、これは見ようと思ってしまった。これはそんな映画。
2時間7分という上映時間がいい。2時間越えのホラー映画なんて最近ない。あの気味の悪い予告編もよかった。そしてヒロインの少女の不細工な顔。ふつうはありえない。あんな不機嫌で、愛嬌のない少女を連れてこない。兄はムロツヨシみたいな顔だし、母親は定番通りの絶叫するし。
冒頭からドキドキさせられる。あのミニチュアから始まるシーンだ、しかも、その後の本編では、怖がらせようとするあざといシーンは皆無。だが、なんとも気味の悪い雰囲気がずっと続く。もしかしたら大傑作か、と思わせる。だが、終盤に入って減速する。あの結末がつまらない。ここまで期待させといて、あの終わり方では納得しない。特に謎解き部分が僕にはつまらなかった。オチをちゃんとつけろ、とは言わないけど、あれでははぐらかされた気分しか残らない。