昨日の3本が面白かっただけに、(予定を変更して今日も見に来た)期待したのだが残念ながら5本とも昨日の作品には及ばない。午前中に見た2本にはガッカリした。矢口史靖、鈴木卓爾の『ONE PIECE』のコンセプトを引き継ぐ『TEN EASY PIECES』だが、これはワンシーンワンカット1作品5分10話からなるオムニバス。10人の監督による作品。いずれもコントのレベルにしかならない。5分は厳しい。『不完 . . . 本文を読む
このやけに長くて漢字の多い(しかも画数も多い)タイトルを持つ短編映画は実にチャーミングな作品である。なんと今時フィルム撮りをしているし。そこにはたった18分なのに充実した時間が描かれる。コンクールでの演奏まであと3時間。なのにアイツが出奔した。だから私はアイツを連れ戻すために走る。 前半部分は山の中に入って河原で彼女を見つけ出し、連れ戻すまで。ふたりはびしょ濡れになってしまうけどお構いなし。後半 . . . 本文を読む
30代のふたりの女たちを描く。まだ20代になったばかりの女性監督がほぼ10年後の世代の挫折を描くなんて、なんと大胆で傲慢なことであろうか。だけど若さゆえ、許される。いや、彼女は未来をしっかり見つめてこの小さな映画を作ったのだろう。挫折と書いたが、これはそこからの再生のドラマである。だけど安易な物語にはしない。中里有希監督はふたりの女たちの10数年後の再会を通して今ある人生とこれからの生き方を探る。 . . . 本文を読む
もう一度『風の港』を読みたいな、と思っていたら村山早紀さんは再びこの小説を書いてくれた。もちろんこれだけではない。彼女の作品はみんな続くのを期待させるものばかりだ。だけど安易にシリーズ化して欲しいわけではない。もう会えないかもしれないけど、もし奇跡的に逢えたならうれしい。そんな気分にさせられる作品なのである。今回の最初の一作がまさにその気分を代弁してくれる作品だった。これも奇跡かもしれない。『十二 . . . 本文を読む