プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

笠崎壮夫

2014-11-10 22:02:21 | 日記
1964年

「バネの強さは稲川や秋山以上。一年生だがキレのいいカーブとシュートで10勝ぐらいかせぐんじゃないか・・。」シーズン前から大いに期待をかけられていた大洋の下手投げ投手の笠崎が、九日後楽園の巨人19回戦で初めて登板した。先発の鈴木隆が打たれ、二番手で顔を出したが2イニング投げて被安打2、三振3という成績。ノンプロ八幡製鉄のエースだった笠崎は、昨年暮れに大洋にはいりすぐ合宿練習に参加。別所コーチから、「いい球を持っている」と目をかけられていたが、キャンプから張り切り過ぎでフォームをくずし、オープン戦(広島戦)で乱打されて以来二軍落ち。平野克投手らと一緒に調整に励んでいた。笠崎は、「巨人戦という特別な意識はなかったんだけど、やはりONだけには緊張しました。長嶋さんは遊ゴロ、王さんは三振してくれましたが、やはり王さんはこわいですネ。国松、広岡さんに打たれたのはスライダーがキレなくて真っすぐにはいったからです。堅くなっていた証拠でしょうネ」と初登板の感想。1㍍60、70㌔と柄は小さいが、秋山のゆさぶりとはまた違ったアンダー・スローだけにこれからつなぎ投手で起用がふえるだろう。この笠崎が目標にしているピッチャーは、ダイナミックな杉浦のピッチング。大石コーチはいう。「本調子を取りもどしているよ。スライダーのキレがよくなっているし、スピードもついた。コントロールが身につけば一層よくなるだろう」
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山本義司

2014-11-10 21:33:34 | 日記
1958年

東映フライヤーズの投手陣は同リーグを通じても、一、二を争うくらい充実した投手陣といわれているが、その投手陣にもなやみはあった。たよりになる左腕投手のいないことである。ここで左腕投手がおれば・・と何度、岩本監督がなげいた場面があったことか。だが、ようやく山本義司投手が進境をみせてきた。その進境ぶりをいかんなく発揮したのが、十六日、駒沢球場での対近鉄24回戦であった。この試合の山本投手は、これまでに見られなかったくらい、いつものおどおどした態度は全然みられない。自信たっぷりである。速球にのびがあり、これを軸としてカーブ、シンカーのきれもよく、コントロールもよく低目にきまっていた。ピンチらしいものといえば、四回無死加藤昌に初安打され、木塚のバントで二進を許したときと、五回一死後大石に左翼線二塁打されたわずか二度だけ、4安打散発、1四球というみごとなピッチングで、六回、八回こきざみに1点ずつ記録した2点のリードを守りきったのであった。山本投手が完投したのはプロ入り以来これが二度目。最初の一度は、西鉄に完投で敗戦投手となっているから、完投で勝ったのはもちろん、シャット・アウト勝利は、プロ入り78試合目の快記録だった。この山本投手の健投を、一番喜んだのはコーチの筒井であった。

二十九年、南海に入ってきた山本投手を見たとき、これはモノになると期待をかけ、なにくれとなく面倒を見つづけてきたのが、同コーチだったからだ。事実、大阪商からきたばかりの山本は、五尺九寸、二十貫の堂々たる体型をしており、その速球にも見るべきものをもっていた。だが、生来の気の弱さがたたってさっぱりのびない上に、カーブが全然といってよいくらい曲がらない。そのうちに、筒井捕手は三十一年高橋ユニオンズに移ってしまった。球団は変わっても気になるのは山本投手のこと。そしてついに三十二年はじめ、筒井捕手は、南海の山本監督に、「山本を私の手元においてなんとか一本立ちさせたいと思うんだが・・」と相談した結果、山本監督も快く移籍を許したのである。高橋ー大映ー東映と筒井コーチと同じ道を歩いた山本が、プロ入り以来五年目に、ようやく一本立ちしそうなところまでのびてきた。筒井コーチは、この夜の山本投手のピッチングについて、これまで左足のケリが弱かったために球威が半減していたが左右で飛ぶ練習を続けさせた結果、それがなくなったこと、カーブをようやくおぼえたことがこれだけのピッチングができるようになった原因だろう。これで自信をもってくれたら・・といっていたが、三十一日の対大毎23回戦でも、七回なかばまで3安打無失点におさえ、先発投手の責をはたした。東映の左腕投手陣のなやみの解消する日もそう遠くはない。
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松尾格

2014-11-10 20:44:17 | 日記
1973年

「九州高校界きっての本格派、海星のワンマン投手」といわれた長崎海星高の松尾格投手(18)=ドラフト三位=ロッテ入りが決まって大喜びなのが、海星の先輩池辺。「後輩からプロ野球選手が育たなくて、残念だったけどこれで楽しみがふえた。同じチームだし、これからハッパをかけてやる」と当の松尾以上の張り切りよう。松尾は上手からの速球を武器にする本格派。打力のないチームを自らの右腕でカバー、昨夏の甲子園出場の立て役者になった投手だけに根性の方も中々。「ロッテには木樽さん、成田さんというお手本がいるし、監督の金田さんは大投手。先輩の池辺さんもいるし、ボクは恵まれています。先輩のいい所を見習って早く第一線のマウンドを踏める投手になりたい」と目を輝かせている。
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