プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

似鳥功

2014-11-11 21:13:13 | 日記
1975年

名は体を現わす・・・・。阪神に入団四年目の似鳥投手がいる。「ニタドリ」と読む。もっぱらバッティング投手をつとめ、縁の下的な存在。おとなしい性格で、試合前の打撃練習では黙々と投げながら田淵ら主力選手の調子が上がるのを願っている。こんな性格だから、チームメートのだれからも好かれる。プロ球界には珍しいタイプで、そんなところが伸び悩みの原因になっているのかも知れない。担当記者の受けももちろんいい。いいや、人気抜群といった方がいいだろう。こんなことがあった。さきごろ行われた阪神ー南海のオープン戦(岡山県・玉野)試合は0-4で阪神が負けたわけだが、最後に登板したのがこの似鳥。オープン戦とはいえ、本番のゲームに投げることは滅多にない。そのせいかどうか、なかなかストライクが入らなかった。そしてその一球がついに大暴投。田淵が大きな体ごと捕球しにいったが、つかまえ切れなかったというヤツ。ネット裏の記者連中、顔を見合わせてワイワイガヤガヤ。「ワイルドピッチに記録するのは可哀そうだよ。いまのはパスボールにしようじゃないか」「そうだ、そうだ。田淵に捕逸がついてもどうってことないけど、久々に投げる似鳥に暴投をつけては気の毒だ」ネット裏の同情を一身に集めた似鳥。その人柄がにじみ出ているようなエピソードである。前置きが長くなったが、この似鳥に天下一品の特技がある。名前のごとく、物真似にかけたらそこらの芸人顔負けだ。それもレパートリーや野球人に限るというから面白い。江夏、堀内、平松、高橋一、田淵、藤田、柴田ら・・・。各チームのエース、主砲クラスのピッチングフォーム・バッティング。どれもこれもソックリさんー。特筆ものは帽子に手をやり、ていねいにロージンバッグに手を伸ばす仕草、腹を突き出し、ゆっくりと左腕を振り上げる・・。昨年、金田前監督とモメたときの江夏も、これを見ては腹を抱えて笑ったというシロものだ。「似鳥があのフォームで投げるとどうなるのだろ。ひょっとすれば江夏と張り合えるのでは・・」好漢似鳥の来季に期待したい。
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魚満芳

2014-11-11 20:38:31 | 日記
1974年

若手捕手の中でも矢沢、杉山の蔭にかくれてパッとしなかった四年目の巨人・魚(うお)が、初めての一軍入り。「一寸、おっかない感じだけど、いい勉強になります」と、野球学の九州に懸命だ。四十六年ドラフト七位で富山県新湊高から入団したが、プロ選手でも屈指の珍しい姓というだけで、成績の方はさっぱり。一昨年、1割3分8厘、昨年6分7厘とイースタンでもお呼びなしだった。しかし、最近はダウンスイングが身についた事もあって自慢の長打力も復活して首脳陣の注目を集めてきた。「肩は以前からいいし、これでもう一つ闘志が外へむき出しになると文句なしなんだが・・」と国松二軍監督。おとなしい性格が災いして、杉山、矢沢らに一歩遅れを取った感じだが、今度の一軍研修がプラスとなって後半戦生きてくれるかどうかー。
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丸山隆男

2014-11-11 20:15:14 | 日記
1964年

吉沢がイースタンで33イニング2/3無失点というお土産をぶらさげて一軍入りしたのは耳新しいが、吉沢のライバルといわれている丸山も、イースタンで快記録を残した。五月三十一日の国鉄戦(多摩川球場)の快投がそれ。試合は丸山の好投で巨人が4対0で一方的に国鉄を破ったがこのゲームの丸山の投球数はわずかの78球だった。一軍ではこれ以下の投球数の記録は沢山出ているが、イースタンではおそらく初めてのものだろうといわれている。この試合を見たセ・リーグの河野公式記録員は、「イースタンはこうした記録を残していないので資料もないですが、おそらく最少記録でしょう。この日の丸山君はスピードは大したことはありませんでしたが、変化球のキレがよく、打たせて取るピッチングが実にうまかったですネ」といっていた。この試合で一番多く投げたのが一回と六回の12球。三回などは松本が初球を遊ゴロ、大塚は2球目をたたいて三ゴロ、石戸が初球を遊ゴロとわずかに4球で終わっている。打たれたヒットは内野安打が3本。四球1、三振0という記録を見ても、いかに丸山がうまく打たせて取ったかがわかる。滝のエラーが一つあったが、これがなければもっと少ない投球数になっていただろうといわれている。試合時間も一時間三十八分という短いもので、これも最短時間ということだ。丸山は、「調子も良かったし、国鉄が積極的に打って来たのはわかっていましたが、球数までは知りませんでした」といっていたが、それにしてもこの記録は当分破られないだろう。丸山は現在3試合で2勝無敗の成績。カーブに頼る吉沢に比べてピッチングが多彩なだけにこれからの成長が楽しめる。
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