1956年
南海は一回蔭山の遊撃強襲ライナー安打と一死から杉山の投手足もとを抜く安打で一、三塁とした。しかしこれは飯田の二ゴロでタブられ点にはならない。笠原はよく投げた。一回の火を消し、三回には一死から味方の失策と蔭山に右中間二塁打され二、三塁の危ない橋を渡られたが、岡本、杉山を凡退させてなんとかこれもきりぬけた。長光(今季三度目の登板)はベテラン松井が試合前その調子を本人にたずねるほど横手から変化にとんだ球を投げる。シュートを投げれば内角に沈むのと浮き上がるのを投げわけ、カーブを投げればスライダーのようにスピードがのっている。三回一死から八田に中前安打されたのが一本目の被安打だった。このピンチは笠原の遊ゴロで二封し一番うるさい坂本をまた遊ゴロに打ちとる。五回日本目の安打を桝田に遊撃左に打たれ保坂の送りバントでニ進されたが、八浪、八田を凡退させた。その裏南海は二死から球が高目に浮きはじめた笠原を打ちこみ、蔭山が右前安打して二盗、岡本も三塁線を破って(二塁打)ようやく先行点をあげ杉山の中前安打でまた一点を加えた。この二点で大映は早くも試合をあきらめた感じで六回二死から島田、滝田が二塁左と中前に進打し、暴投などで一、三塁としたのもダメ。八回二人目の太田が杉山に中前安打(代走大戸)され、そのうえ彼自身が暴投して二進させ二死から大沢の右前安打で三点目を許してしまった。
長光投手
プロ入り初の一勝完投(シャットアウト)を記録した長光投手は五尺六寸五分、十九貫五百、十九歳右投右打、広島県二十日市高出身。打たせてとる投手で落ちるシュートを武器としている。昨年入団、昨シーズンはウエスタン・リーグで活躍したが一度も公式戦には登板していない。今シーズン救援二度、この夜が初の先発。
山本監督談 「投手陣が不調なので冒険だと思ったが彼を出してみた。球に伸びがあるので皆川、山本(義)とともにこんごも使っていきたい」
南海は一回蔭山の遊撃強襲ライナー安打と一死から杉山の投手足もとを抜く安打で一、三塁とした。しかしこれは飯田の二ゴロでタブられ点にはならない。笠原はよく投げた。一回の火を消し、三回には一死から味方の失策と蔭山に右中間二塁打され二、三塁の危ない橋を渡られたが、岡本、杉山を凡退させてなんとかこれもきりぬけた。長光(今季三度目の登板)はベテラン松井が試合前その調子を本人にたずねるほど横手から変化にとんだ球を投げる。シュートを投げれば内角に沈むのと浮き上がるのを投げわけ、カーブを投げればスライダーのようにスピードがのっている。三回一死から八田に中前安打されたのが一本目の被安打だった。このピンチは笠原の遊ゴロで二封し一番うるさい坂本をまた遊ゴロに打ちとる。五回日本目の安打を桝田に遊撃左に打たれ保坂の送りバントでニ進されたが、八浪、八田を凡退させた。その裏南海は二死から球が高目に浮きはじめた笠原を打ちこみ、蔭山が右前安打して二盗、岡本も三塁線を破って(二塁打)ようやく先行点をあげ杉山の中前安打でまた一点を加えた。この二点で大映は早くも試合をあきらめた感じで六回二死から島田、滝田が二塁左と中前に進打し、暴投などで一、三塁としたのもダメ。八回二人目の太田が杉山に中前安打(代走大戸)され、そのうえ彼自身が暴投して二進させ二死から大沢の右前安打で三点目を許してしまった。
長光投手
プロ入り初の一勝完投(シャットアウト)を記録した長光投手は五尺六寸五分、十九貫五百、十九歳右投右打、広島県二十日市高出身。打たせてとる投手で落ちるシュートを武器としている。昨年入団、昨シーズンはウエスタン・リーグで活躍したが一度も公式戦には登板していない。今シーズン救援二度、この夜が初の先発。
山本監督談 「投手陣が不調なので冒険だと思ったが彼を出してみた。球に伸びがあるので皆川、山本(義)とともにこんごも使っていきたい」