遠いこえ 村野四郎
美しい思想が花ひらくかげに
私は目だたずに實をむすぶ
遠いこえが
近い聲々の中に消されるように
私はたえず
私をうち消すものの中に生きた
昨日の花
おお 遠いこえ
-☆-
きょうも寒かったけれど
霜が降りたのではありませんよ
ヒメツルソバはいつもひっそり咲いている
傍らの葉っぱが 鼠のように走っていく
気ぜわしい 昼下がりです