ドアの向こう

日々のメモ書き 

忘れない

2013-08-15 | こころ模様

  炎暑の夏 終戦の日、 この詩を読む、 繰り返される言葉のなかに身を置いて声を上げる。 

   お父さんて 呼んでみたい 
    お父さん どこにいるの…   

  
    
ざわわ ざわわ ざわわ 広い さとうきび畑
    ざわわ ざわわ ざわわ 風が 通りぬけるだけ

 
      あの日 鉄の雨にうたれ 父は 死んでいった
       夏の ひざしの中で    (さとうきび畑  寺島尚彦)より抜粋

  


  戦地からの葉書を読めば 今も目頭が熱くなる。 両親の想いに重ね、 終戦を知らず死んでいったひとのくやしさを思う。  遺書や弔辞など広げ 読みふける。 戦争を忘れないため。

 ○○俊雄君の戦死を悼む  早船斌男        

あかねさす武蔵野にはも 柿みのる 秋は來りぬ
棹さきに とりもち つけて 赤蜻蛉 捕るとふ童
その父の ますら建男は みいくさの 終へ果てぬれど

海とほき 高砂島や その沖に 沈みかへらず
子らははも もち棹並めて 空とほく 望みくらせど
君のせて 勇み立たせる すめろぎの みいくさぶねは

波かつぎ 征きてかへらず ああついに 永久にかへらず
得忘れめ 昭和十九  神無月 十四日をば… 

  (後略)

 

お骨もなく 粗末な紙切れ一枚が、 戦死の公報。 

顔や声を思い出せない、 父のこと なにも覚えていない。 夜間、 B29が轟音とともに自宅屋根すれすれに飛んでいたこと、 庭に作った防空壕へ避難したこと。 思い出せるのはこれだけ。
 写真でしかわからない父に、 ひたすら会いたいと思う、 いくら歳を重ねても。

    戦争のむごさを  絶対に忘れない。 ずっと伝えていく。

 

 

 

 

コメント (2)
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