ドアの向こう

日々のメモ書き 

遠い空

2009-06-03 | 道すがら

至仏山

  尾瀬ヶ原を見まもるやさしい稜線。 至仏山(標高2228m)を背景に白い妖精たちが踊るようだ。 尾瀬はいまが早春… 木かげに雪も残っているし、 蕗の薹は塔を広げ、 小ぶりな峯桜が咲いていた。 

 湿原をわたる風が水芭蕉の甘い爽やかな香りをはこんでくる。
 スタートして最初に見られたのは一足早く咲いた花、 葉も大きく60~80㎝ほどに育っている。 いずれ1mくらいになるそうだ。  手前枯れたようなところは ヤチヤナギ(ヤマモモの仲間)の群生。 多くのひとは目もくれない。 曇り日、 風は強いが暑くも寒くもない。 褐色の蕾?か芽をつけて低く屈んでいる。   

咲き始めの水芭蕉  雪解け水が流れ出し、 水音が春を告げる。 カエルも低い声で合いの手を入れ、 姿は出さない。
 女王の立ち襟のような白い仏炎苞につつまれて、親指姫をさがそうか。

 ニリンソウや紫八塩躑躅ムラサキヤシオツツジ(ショッキングピンク)、  ショウジョウバカマ。 高いところに白山シャクナゲ。

  ザゼンソウを眼の当たりにして感激。   立山リンドウもそこここで迎える。

 坐禅草 立山竜胆

 ↓立金花リュウキンカ。  大亀の木オオカメノキ 皺が目立つ葉が亀の甲羅に似ている。アジサイのような花のつき方で。

リュウキンカ オオカメノキ

  葉のうえに咲く山荷葉サンカヨウ。  地味ないろに魅かれるエンレイソウ(延齢草)。 コミヤマカタバミ。  シラネアオイは 曇り日にうつむく姿が紫のアネモネのようだ。 ハクサンコザクラは 桜草のイメージ。 博物誌に触れる思いで楽しいこと。  木道では、 立ち止まるのを遠慮して接写できなかった。 
            

 燧ヶ岳

 至仏山に対峙する燧ヶ岳2356m、 荒々しいシルエット。 
 ケケケケ ケッキョ ケッキョ ケキョ ケキョ……  ウグイスの谷渡りも聞こえ、 チャッカリ屋のカッコウも高らかに鳴いている。 尾瀬ヶ原には 大きさも形もさまざまな池塘(チトウ)が存在する。 1600から1800個も。 晴れると山や雲を映して ドラマチックなせかい ができあがる。 ずっと 眺めていたい。 空がシャクナゲ色に染まるのも…                        

  鳩待峠から山の鼻より 牛首三叉路まで片道5.5㎞。 休憩をとりながら2時間40分のハイキング。 入口付近は岩がごろごろしているが木道が整備され歩きやすい。 行きはなめらかに前進。  帰りは登りとなるので、 きつかったけれど。    

   -☆-  細切れ時間をつないで写真の整理、 日記をようやく書きあげて小さな旅を終える。  疲労感も快い。 

 

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2 コメント

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散文詩の尾瀬 (ふくら雀)
2009-06-08 10:33:30
ザゼンソウ。ミズバショウ。やはり実物の存在感は格別ですね。
恐れを知らずに山野草専門店で求めたシャウジョウバカマや、ニリンソウでしたが全部枯らしてしまいました。尾瀬の木道も立派になりましたね。
いい旅を詩情豊かに追体験させていただきました。
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ありがとうございます ()
2009-06-08 16:22:06
このごろは 控えめな山野草に魅かれています。 ショウジョウバカマは枯草に埋もれて葉が見えなくて彼岸花のよう と。下の方にロゼット状の葉があったのですね。

 木道は7年くらいで改修されるそうです。
 刻印にH19とかH20とありましたのでまだ新しい。湿原の奥では、傷んだり、浮きあがって前の人とシーソーのように揺れました。
 散文詩… 恐れいります、うれしいです。
広いところが好きです。
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