想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

灰色の瞳

2009-12-07 09:44:57 | Weblog
「枯れ野に咲いたちいさな花のように、なんてさびしいこの夕暮れ
 届かない思いを胸に抱いて」



待っている、探している、待っている、恋しく切ない言の葉をハナウタに唇に乗せ
枯れ草をそっと踏んでゆく。

すると、恋しくもなかったのに、恋しい気持ちがよみがえってくる。
なぜだろう、悲しくもないのに、すこししんみりする。
立ち止まって、空を見る。

忘れていたのに、会いたくなった。
ハナウタ、そばで聴いたかベイビーがまとわりついてくる。
笑っている君。君がいると、悲しいことも忘れられたんだった。

会いたくても、もう会えないんだってことが悲しいことだと知らなかった。
いえ知っていたけれど、こんなにも深く、胸苦しいものとは。
そのときにならないと、なんにもわかっちゃいないんだ。
思い出すたびに、あなたは生き返る。
触れることができないのに、あなたが現れる。
ハナウタをもっと大きな声にして、わたしはあなたの世界の方へと呼びかける。
さびしさが消えるように、笛の音が届くように。

わたしはあなたの一部であれたでしょうか。
(冬枯れの寂しい日、悔いを恐れて)



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