想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

迷子猫ハチ

2010-06-03 14:51:36 | Weblog
ボケ気味の写真はシマコじゃなくて、ハチである。
仕事場近くの電柱にあった貼り紙の迷子猫「ハチ」によく似ているので、
ハチ、と呼びかけると逃げない。まっすぐこちらを見てお座りしたままだ。
それからハチと呼んでいる。
貼り紙に書いてあったケータイ番号へ最初連絡したのが3カ月ほど前であった。
同じ場所で再び見かけたのが10日ほど前で、ハチとまた呼んだ。
ハチは「うん」と返事しているような眼つきであった。

気になったが親分連れであるのでそのまま別れて、翌朝同じ場所へ行くと
ハチはいた。またまっすぐに座ってこっちを見ていた。
それで迷ったけれど貼り紙の主へ二度目の電話をしてみた。

「まだ探していますか? ハチって子のことですが」と聞いた。
「はい、探しています。でも前にも見たけど違ったんです、よく似た猫が
そのあたりに飼い猫でいるらしくて。
ハチは里親探しの広告で引き取った子で、なかなかなつかず家出癖があって
困ってたんです、まだ探してはいるんですが…、これからすぐに見に行きます」
慌ただしく電話は切れ、見に来るかなーとしばし待っていたが。
いや、うさこも親分と同じ場所に居続けるわけにいかず立ち去ったので
来たかこないかはわからないのであった。心配だった。

そして翌々日、ハチと会った、同じ場所で。
どうしたんだい? と声をかけてみた。ハチは目を細める。
むむむ、うさこと親分を警戒しない? 覚えてくれた? と勝手にしゃべる。
だが野良なのであまり近寄ると逃げるかもしれない、そろそろと横移動して
周囲を観察した。
ここは元アパートの敷地で今は廃屋と化し、いい感じで草ぼうぼうである。
野良猫にはもってこいの棲み家とみた。
ハチは数か月前からずっとここにいたのだな、ご飯はどうしてたんだろう?



森の小道でときおり猫とすれ違う。シマコ一族以外にも何種類かいる。
シマコはうちの食客として数年を過ごしているが、ほかの猫は森で狩りを
している。シマコだってカリカリも食べるが、ネズミも野鳥も獲る。
ハチは虫を食べているんだろうか。あまり太っていないから、食糧事情は
厳しいのかもしれない。

都会では野良猫の餌やりが裁判になったりするし、厳しく禁じている場所も
ある。嫌う人も多い。
ハチにご飯食べさせたいと思いながら、そんなことが頭をよぎる。



また見に行き小さな声で呼びかけながら探すと、ハチは草むらで寝ていた。
ああ、こんなところで昼寝かよ、と思ってハチ、ハチ、と呼ぶとこっちを向いた。
ケータイを取り出しカメラモードにしてズーム、1.5メートルくらい先だ。
アップで見ると、なんだかシマコ家の顔立ちにそっくりだった。
コメント
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