高校の同窓で大学教授をしているMくんの推薦図書です。
福田紀一という高校教師の方が77年に書いた本ですから、今から35年前。
表題でいう「おやじ」は昭和一ケタ生まれの私の父の世代であり、「むすこ」が私たちの世代ということになります。
昔は日本史のことを、国史と言ったのですね、そんなことも知りませんでした。
戦前ですから、国史を学ぶ目的は、当然国威の発揚、日本は神の子孫である万世一系の天皇の治める、対外戦争でも負け知らずの特別な国ということになる。
それが、敗戦という価値観の大変換期を経て、全く違うものになってしまった、という話。
自分達が歴史教育を受けた中学・高校の頃は、一言でいえば、冷戦構造の時代でした。
東側勢力に対応して、社会党とか共産党とか日教組とか、そういうサヨク勢力がそこそこの力を持っていて、その影響が、歴史教育にも反映されていたように思えます。
富める者、強者の下で、民衆はいつも苦労を強いられるみたいな図式。
山上憶良の「貧窮問答歌」までもがそういう視点になっていて、万葉の時代に階級対立もないだろうって思いました。
時は流れ、あの頃の「戦争をしらない子供たち」がいいおやじになり、今はそのむすこたちが歴史教育を受けているわけです。
その間には、私たちのおやじが経験した敗戦のような、大きな価値観の転換はありませんでした。
でも、お隣の国あたりでは、戦後、国威発揚のための歴史教育をおこなってきたのでしょう。
そうとしか思えないような状況が起き、それを受けてか、日本は、自国の歴史に対し、必要以上に卑下するようになってきたように思えます。
7年位前、息子の日本史の教科書を読んで、何か変だなって思いました。
現代史ならいざ知らず、16世紀の豊臣秀吉の朝鮮出兵まで侵略っぽい書き方をしてあったり、でもその割には、元寇は中国・朝鮮が徒党を組んで侵略してきたとは書いていない。
日露戦争も、バルチック艦隊を沈めたとは書いてありますが、日本が勝ったとは書いていない。この戦争で、民衆は大変に苦しんだと書いてある。アジアの小国が大国の干渉を敢然と跳ね除けた、その歴史的意義には触れていない。
最近、高校生の娘が日本史のテストでとんでもない点を取ってきたので、自分でやってみたところ、娘
以下の点しか取れませんでした。
ここまで聞くか?といった問題も多く、歴史を学ぶ目的は大学受験、そのための暗記科目、まあ、その点は我々の頃とあまり変わっていません。
今でこそ、自分はそこそこの歴史好きで、 歴史とは断絶した過去ではなく連綿と続いて来たもので、日
本人のDNAとでもいうべきものが含まれていて、だからこそ、我々は、今どうすべきかを歴史から学ば
なければいけない、みたいなことを言えるけど、当時は、「受験のツール」と思っていたのだと思ます。
日本を取り巻く環境に対し、日本の歴史教育はあまりに無防備と思います。
歴史教育というよりも、歴史研究の分野で無策ということになるのかもしれませんが。
でも、教育においても、国威はともかく、日本はこういう特長を持った国だということを外国人に説明
できる、そんな歴史教育であって欲しいと思います。
いち早く中国の朝貢国から外れ、独自の文化を育んできたこと、
明治維新という徹底的な革命を、極めて少ない流血で達成したこと、
日清、日露戦争を勝利し、列強の干渉を排除して、アジアでいち早く先進国の仲間入りを果たしたこ
と、
オリンピック選手だけが日の丸を背負っているのではありません。私はそう思っています。
福田紀一という高校教師の方が77年に書いた本ですから、今から35年前。
表題でいう「おやじ」は昭和一ケタ生まれの私の父の世代であり、「むすこ」が私たちの世代ということになります。
昔は日本史のことを、国史と言ったのですね、そんなことも知りませんでした。
戦前ですから、国史を学ぶ目的は、当然国威の発揚、日本は神の子孫である万世一系の天皇の治める、対外戦争でも負け知らずの特別な国ということになる。
それが、敗戦という価値観の大変換期を経て、全く違うものになってしまった、という話。
自分達が歴史教育を受けた中学・高校の頃は、一言でいえば、冷戦構造の時代でした。
東側勢力に対応して、社会党とか共産党とか日教組とか、そういうサヨク勢力がそこそこの力を持っていて、その影響が、歴史教育にも反映されていたように思えます。
富める者、強者の下で、民衆はいつも苦労を強いられるみたいな図式。
山上憶良の「貧窮問答歌」までもがそういう視点になっていて、万葉の時代に階級対立もないだろうって思いました。
時は流れ、あの頃の「戦争をしらない子供たち」がいいおやじになり、今はそのむすこたちが歴史教育を受けているわけです。
その間には、私たちのおやじが経験した敗戦のような、大きな価値観の転換はありませんでした。
でも、お隣の国あたりでは、戦後、国威発揚のための歴史教育をおこなってきたのでしょう。
そうとしか思えないような状況が起き、それを受けてか、日本は、自国の歴史に対し、必要以上に卑下するようになってきたように思えます。
7年位前、息子の日本史の教科書を読んで、何か変だなって思いました。
現代史ならいざ知らず、16世紀の豊臣秀吉の朝鮮出兵まで侵略っぽい書き方をしてあったり、でもその割には、元寇は中国・朝鮮が徒党を組んで侵略してきたとは書いていない。
日露戦争も、バルチック艦隊を沈めたとは書いてありますが、日本が勝ったとは書いていない。この戦争で、民衆は大変に苦しんだと書いてある。アジアの小国が大国の干渉を敢然と跳ね除けた、その歴史的意義には触れていない。
最近、高校生の娘が日本史のテストでとんでもない点を取ってきたので、自分でやってみたところ、娘
以下の点しか取れませんでした。
ここまで聞くか?といった問題も多く、歴史を学ぶ目的は大学受験、そのための暗記科目、まあ、その点は我々の頃とあまり変わっていません。
今でこそ、自分はそこそこの歴史好きで、 歴史とは断絶した過去ではなく連綿と続いて来たもので、日
本人のDNAとでもいうべきものが含まれていて、だからこそ、我々は、今どうすべきかを歴史から学ば
なければいけない、みたいなことを言えるけど、当時は、「受験のツール」と思っていたのだと思ます。
日本を取り巻く環境に対し、日本の歴史教育はあまりに無防備と思います。
歴史教育というよりも、歴史研究の分野で無策ということになるのかもしれませんが。
でも、教育においても、国威はともかく、日本はこういう特長を持った国だということを外国人に説明
できる、そんな歴史教育であって欲しいと思います。
いち早く中国の朝貢国から外れ、独自の文化を育んできたこと、
明治維新という徹底的な革命を、極めて少ない流血で達成したこと、
日清、日露戦争を勝利し、列強の干渉を排除して、アジアでいち早く先進国の仲間入りを果たしたこ
と、
オリンピック選手だけが日の丸を背負っているのではありません。私はそう思っています。
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