ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

「歴代天皇総覧―皇位はどう継承されたか」

2012-05-12 22:26:41 | 歴史
随分前に読んだ新書ですが、今上天皇まで125代の歴代天皇の名前を全部暗唱できるようになろうと思って再読してみました。
なんでそんなことをしようと思い立ったかというと、別に大した意味はありません。
何となく、なんかの機会に友達を驚かせられるかな、と思って。

神話時代の、実在が疑問視されている天皇は、暗記モノとして丸覚えしました。
第15代の応神天皇あたりからは、高校の教科書にも名前が出てきた天皇が増えてくるので覚えやすい。
古代は天皇親政に近い政治形態だったので、天皇が歴史の主役に近いところにいたからでしょう。

平安京遷都の桓武天皇までは、割と簡単に覚えられました。
でも、51代の平城天皇以降は、だんだん影が薄くなってくるので難儀しました。
平安時代だと、教科書に名前が出てくるのは書道の達人の嵯峨天皇と、延喜・天暦の治の醍醐・村上天皇、あとはずっと時代がさがって院政の白河、鳥羽、後白河天皇くらいでしょうか。
後の方は藤原氏や平氏に振り回されたりで、お気の毒です。

この流れは中世以降も続きます。
後鳥羽、後醍醐天皇以降は、足利幕府、織田信長、豊臣秀吉、徳川幕府、時の権力者に都合の良いように利用される、そんな存在になってしまいました。
でも、そんな中で、学問や詩歌、そして伝統行事の継承といったことに情熱を注ぐ、立派な方が多かったように思えました。

ちょっと良いなと思ったのは、江戸時代初期の後水尾天皇。
禁中・公家諸法度で縛られ、紫衣事件で面目をつぶされた時、「そんならお前の娘を天皇にしてやるよ」って、徳川秀忠の娘出生の内親王に譲位(明正天皇)しちゃった。こういう気概の見せ方もあるってことですね。
水尾は清和天皇の別名であり、後水尾という諡号も、清和源氏の子孫を称する徳川家よりも俺の方が上だという意思表示なんでしょう。

譲位についても考えさせられました。
譲位がなかった古代、崇峻天皇が蘇我馬子に暗殺された後を受けて即位した推古女帝が、75歳と当時としては記録的な長命であったため、厩戸皇子(聖徳太子)以下有力な皇位継承者が皆先に亡くなったり、年老いたりしてしまった。
乙巳の変は、蘇我総本家の専横を容認した皇極天皇に譲位をさせるためのものだったとも思えます。
現在もまた法律で天皇の譲位は認められていません。
大正天皇も、昭和天皇も、あそこまで重篤な御病気であったのに退位が出来なかった、女性への皇位継承や宮家のことと併せ、検討されるべきことと思います。

今まで、歴史の主役からの視点で日本史を見ていたために分からなかったことがいろいろと見えたような気がします。
また、個々のの事象や人物ではなく、連綿と続く天皇家という流れに沿って、点ではなく線で、歴史を紐解くことも出来ました。

で、当初の目的だった125代暗唱ですが、、、もう少し時間がかかりそうです。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この新書は (KAZU)
2012-05-15 12:59:52
僕も随分前に読みました。

ちなみに、「古事記」を読んで興味を持ったので、古事記に掲載されている第34第舒明天皇までは完全に暗記していますが、
そこから先は天智天皇くらいまでしか無理ですね。
返信する
アニメ以外にも、 (RASCAL)
2012-05-15 19:33:27
以外と趣味が合いますね。
大河ドラマを見てるので、白河天皇以降はいけるのですが、その間の平安時代がどうも、、、
返信する

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