ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

「氷菓」(米澤穂信)

2012-05-15 23:45:05 | 読書
米澤穂信さんの「古典部シリーズ」の第1作です。
刊行は01年だそうで、このシリーズ、それ以降11年間で5作ですから、随分と寡作です。
地味な話ですので、きっと長いことあまり売れなかったのでしょう。
私もちっとも知りせんでした。アニメを見る迄は。

ジャンルとしては、青春学園ミステリーとでも言ったら良いのでしょうか。
学園生活における日常の謎を、ヒロインの千反田えるさんが「気になります」と問題にし、それを主人公の折木奉太郎クンが解決する、そんなパターンのお話です。

市立神山高校に入学した折木奉太郎は、OGの姉の強引な頼みで、古典部という何をやるのか分からない廃部寸前の部に入部します。
そこで、やはり古典部OBの伯父の秘密を知るために入部した千反田えるに出会うところからお話は始まります。
奉太郎の友人の福部里志、伊原摩耶花も加わり4人になった古典部が、学園を退学になったえるちゃんの伯父、関谷純と、彼が命名した古典部の文集「氷菓」に秘められた33年前の真実に挑むのですが、いや、実に、人が死なないのにちゃんとしたミステリーです。

知る人ぞ知る、といった感じだったであろうこの作品を一気に世に知らしめたのは、あの京都アニメーションのアニメです。
この映像がすごくいい。
京アニの中でも、かなりハイレベルな傑作と言っていいのではないでしょうか。

アニメは、「氷菓」と第2作の「愚者のエンドロール」に、短編集である第4作「遠回りする雛」のエピソードを、時系列通りにはさんでいく形で進んで行くみたいです。
「愚者のエンドロール」やその次の「クドリャフカの順番」になると、それぞれのキャラの個性がだんだん明確になって俄然面白くなるのですが、アニメの方はこれから「氷菓」の謎解き、ネタばれになるといけないのでとりあえず読書感想は伏せときます。

来月には5作目の「二人の距離の概算」も文庫本になるみたいで、これはもう、一気に5冊、読んじゃおうと思っています。
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2 コメント

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Unknown (「た」)
2012-05-16 06:40:06
今作の京アニの作画レベルについては全くの同意です。 俺も原作、読もうかなぁ........
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お勧め♪ (RASCAL)
2012-05-16 12:11:46
「た」さん
アニメがかなり原作に忠実なので、「氷菓」を飛ばして「愚者のエンドロール」から読み始めるのが良いと思います。
返信する

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