ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

3月に読んだ本(2016年)

2016-04-01 21:25:32 | 読書
3月は20冊。
まずはミステリーが6冊。

◆名もなき毒 (宮部みゆき)
杉村三郎シリーズ3部作の2作目、06年の文春ミステリー第1位の作品。
あらすじは、小泉孝太郎主演のTVドラマで大体知ってたけど、原田いずみの圧倒的な負の存在感というか、理不尽というか、自分勝手な毒の塊というか、がすごい。

◆毒入りチョコレート事件(アントニイ・バークリー)
推理小説に一つの形をもたらした古典。犯罪研究会のメンバーが繰り出す、六人六様の見解、そして真相は藪の中。
もやもやした読後感が残りました。
訳文のせいなのかな、意外と手こずりました。結論から先に言えよ、って言いたくなった。で、結局犯人は誰?

◆その可能性はすでに考えた (井上真偽)
「本格ミステリ」「ミステリーが読みたい」にランクインしていたので読んでみた。
たまたま「毒入りチョコレート事件」を読んだばかりだったので、「うーん、これがミステリー?」という本が続いてしまった。
変な探偵・上苙丞が、これまた変な登場人物の推理を否定しまくるお話、ライトノベルとして読めば、これはこれでなかなかに面白い。

◆禁断の魔術 (東野圭吾)
ガリレオシリーズの長編4作目。このシリーズはミステリながら人間性に焦点が当たっていて読み応えあり。
「容疑者Xの献身」「聖女の救済」は湯川准教授は脇役でしたが、今回は結構な大活躍でした。東野さん、うまいです。

◆新しい十五匹のネズミのフライ: ジョン・H・ワトソンの冒険(島田荘司)
「シャーロック・ホームズの冒険」の「赤毛組合」の後日譚を、島田荘司さんが勝手に書いた、ということか。
ホームズがコカイン中毒で役立たずで、ワトソンがアクションスター張りのヒーロー役、島田さん、ワトソン好きなのでしょうか。
分厚い本の割には簡単に読めました。これはこれでなかなか面白かった。

◆緋色の研究 (コナン・ドイル)
言わずと知れたシャーロック・ホームズ出世作。ホームズ物は「冒険」に次いで2作目。
読んだきっかけはシャーロキアン・島田荘司さんの「新しい十五匹のネズミ」、なるほど、これが元ネタか。

◆赤い博物館(大山誠一郎)
「パンの身代金」「復讐日記」「死が共犯者を別つまで」「炎」「死に至る問い」の短編5編。とっくの昔に迷宮入りした事件の謎に資料だけで挑むアームチェア・ディテクティブ。
ホームズ役が警視庁犯罪資料館の美人館長で、ワトソン役が左遷された捜査一課の元刑事、キャリアなのに閑職にいる謎の雪女風美女、せっかくのキャラ立ちしそうなヒロインの設定にもかかわらず、人物像を掘り下ることなく、ほぼ全編にわたってトリック、謎解き。ちょっともったいない気がしました。ま、本格ミステリなのでミステリに集中しましたってことで良いのかも。

恋愛ものが4冊。
◆ラブ・ストーリー―ある愛の詩 (エリック・シーガル)
フランシス・レイのあのメロディの映画が思い浮かぶ人は、もうかなりのおっさんでしょうね。
全米で1200万部、1970年の大ベストセラーは、実にシンプルなラブストーリー、20世紀版「ロミオとジュリエット」、20世紀版「世界の中心で愛を叫ぶ」でした。

◆恋歌 (朝井まかて)
最後の将軍を輩出し、一方で桜田門外の変を引き起こした徳川御三家の水戸藩が、維新を前に歴史の表舞台から消える。その影に、歴史の動乱期に翻弄される草莽の士とその家族たちがあった。
平和が訪れた明治の世、そして平成の世では想像もつかない恋物語でした。
私の実家は文京区の伝通院のそばでしたので、池田屋の地元だったのですね。知らなかった。

◆ぼくは明日、昨日のきみとデートする (七月隆文)
結構評判になっている本なので読んでみました。タイトルからしてネタバレ、序盤から展開が読めてしまうのがやや残念、もう少し引っ張ってくれても。ざっと数時間で読了、こういう軽いのも悪くない。

◆ストーリー・セラー (有川浩)
Side:Aは新潮文庫のアンソロジーで既読でした。
やはりSide:Aの方が良いかな。死んでいく人の残される人への思いやりにじんと来ます。これで有川さん28冊目、多分有川さんの小説、全巻制覇です。

◆となり町戦争 (三崎亜記)
クィア座とか居留地とか、架空世界の話のようですが、、、
事業としての戦争、目的が見えない戦争、リアリティのない戦争、実際の戦争も直接の当事者以外にとってはこんなものなのかもしれません。
でも、主人公の北原くん、突然戦闘に巻き込まれ、少しだけ戦争のリアリティに触れることになります。
そして最後に迎えた悲しい戦争による喪失。。。最近、戦争に限らず、世の中全体からリアリティがなくなっていくように思えます。

◆島はぼくらと(辻村深月)
高校もない瀬戸内海の小島、冴島。ここでは大人になるということは故郷を巣立つということを意味する。
次から次へと起きる事件は、旅立ちへの助走。いい人、いいことばかりではないところが妙にリアルで、重い。
でも読後感は最高に爽やか、心温まるお話で、頭の中でユーミンの「瞳を閉じて」が流れました。
辻村さん、こういうのも書けるんだなー、多彩な方だなと改めて思いました。

◆その日のまえに (文春文庫)
人間誰にでも死はあるものだけど、早すぎる死、突然突きつけられる死というものは、本人にとっても、それを受け入れなければならない周囲にとっても、何ともつらいもの。「その日の前に」「その日」「その日の後に」家族4人が経験した妻、母の死と、それに微妙に絡む「ひこうき雲」「潮騒」「ヒア・カムズ・ザ・サン」、一言で言って、リアリティのあるお話、自分は、早くも、遅くもなく、普通に死にたいなと思っちゃいました。

◆聖なる怠け者の冒険(森見登美彦)
楽したい、怠けたいという気持ちと、世の中や人のために役に立ちたいという気持ちのアンビバレンスを森見さん風にアレンジした話かなと思ったのですが、途中からは「宵山万華鏡」っぽい「有頂天家族」のような話になりました。
テングブラン(偽電気ブラン)や鴨川幽水荘、樋口さん(名前だけで別人みたいだけど)も出てきて、いつもの森見さんでした。

◆有頂天家族公式読本(森見登美彦,「有頂天家族」親衛隊)
愛すべき狸たちのことをもっと詳しく知りたくて読んでみました。東京人なので京都の地理に不案内だったので、読んでよかった。
有頂天家族、三部作だから、あと一作。完結編が待ち遠しいです。

◆『王様のブランチ』が恋した本
土曜日の朝、犬の散歩から帰ってくると大体この時間なので、なんとなく見ている「王様のブランチ」のブック・コーナー。
「癒される」「泣ける」など、ジャンル別に118冊、さらに番組出演者のおすすめ本を加えて全141冊、うち既読は37冊でした。
自分、読書に自主性がないので、こういうおすすめリストみたいなのに燃えちゃうんですよね。とりあえず半分の71冊を目標に読んでみよう。

◆戦後史の正体 (孫崎享)
戦後の首相を、すべて対米追随か自主かの二元論で切って捨てた怪書。
岸首相が不平等だった日米安保条約を改正した立役者というのは認識していたが、60年安保闘争の真相が岸を失脚させるためで、CIAから全学連にデモの活動資金が渡っていたというのは驚き。
佐藤首相も、現役時代のマスコミ受けはあまりよくなかったけど、さすがノーベル平和賞。
米軍に一方的に押し付けられた日本国憲法の改正を悲願とする安倍さんは、自主路線の首相ということでいいのだろうか。CIAの謀略に踊らされないよう、ちゃんと歴史を勉強しよう!

◆逆説の日本史〈19〉幕末年代史編2―井伊直弼と尊王攘夷の謎(井沢元彦)
大老・井伊直弼は、実は意外と聡明な人だったのではないかと思いながら読んだのですが、やはり体制内の門閥でした。
名門のエリートってのはろくなことをしない。安政の大獄も、開国のためというよりも、一橋派を追い落とす権力抗争で、その結果の桜田門外の変ということか。
小栗上野介や勝海舟とは全然器が違う。徳川幕府、ここでルビコン川を越えちゃったかな、ということで次巻にいきます。

◆神社検定公式テキスト①『神社のいろは』(日本文化興隆財団)
神社検定(三級)公式テキスト。神社・神話は日本人の心。本気で神社検定を受験するつもりで読みました。今受けても、三級は何とかなりそう。次の二級用のをいってみます。
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