7月は26冊も読んじゃいました。そのうち実に16冊が「新潮文庫の100冊」。
小野不由美さんの十二国記シリーズを3冊。
◆月の影 影の海(上)(下)(新潮文庫)
上巻はとにかくヒロインの陽子さんが災難でお気の毒でしたが、その彼女が実は王様でしたという怒涛の下巻。
ハッピーエンドかどうかは何とも言えないけど、陽子の成長物語と思って読んだので、ちょっと元気になれました。
◆丕緒の鳥 (新潮文庫)(小野不由美)
下級官吏を主人公にした短編集、死刑とか環境破壊とか、現代にも通じるものがテーマでした。
森見登美彦さんも3冊。
◆四畳半王国見聞録 (新潮文庫)
京都の阿呆な学生が出てくる、シュールに面白い、いつもの森見作品でした。「四畳半神話大系」「走れメロス」と共通の人物や組織が出てくる短編が7作、別の話だけど相互にうまく関係している。オモチロイけど、それで何なのって感じ。
◆きつねのはなし (新潮文庫)
4編の短編が繋がっているような、いないような、森見登美彦版ホラー。
人と人ならぬもののが背中合わせに棲んでいる、京都はこんな話が似合います。
◆ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
京都が舞台ではないし、主人公も小学生、こんな森見作品は初めて。
でもペンギンに海にジャバウォック、しっかり森見ワールドではありました。
アオヤマくん、小学校4年生にして、もう科学者であり、哲学者であり、しっかり男の子です。
黒岩重吾さんの壬申の乱にまつわる作品が2冊。
◆天の川の太陽〈下〉 (中公文庫)
上下巻で1300ページ、長かった。。。よくもまあ、ここまで詳しく書ききったものだと感心。
◆影刀―壬申の乱ロマン (文春文庫)
黒岩重吾さんの歴史小説25冊目は、壬申の乱にまつわる短編集。「天の川の太陽」を読んだ勢いで一気読みしました。
◆ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)(窪 美澄)
テーマは「生」と「性」かな。実家が産院の斎藤くんは、それが不可分だって肌感覚で分かっているのでしょう。エロかったです。
◆サクリファイス (新潮文庫)(近藤 史恵)
初近藤史恵。面白くって一気読みしました。
ロードレースはほとんど知識がなかったのですが、深いですね、このスポーツ。
とにかく石尾さんがすごい。エースの覚悟、チームや後輩への想い。感動ものでした。
◆博士の愛した数式 (新潮文庫)(小川 洋子)
以前映画で見て、「いい話だなー」って思ってました。
博士と母子家庭の親子の孤独な者同士のふれあい、数学と子供、博士の思い入れと優しさが調和して、心温まるお話になっていました。
√くんが算数の先生になった(映画ではこれが冒頭のシーンでした)というのが、また何ともうれしいです。
◆ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)(松岡 圭祐)
勘違い野郎が主人公の、勧善懲悪系の割とベタな会社もの。ただし、その舞台が、こともあろうにあの夢と魔法の王国とは。。。。
あの徹底した非日常性を継続的に維持するのは、ホントに大変なんだろうけど、子供のころからのディズニーファンの自分としては、この話、どこまでが本当なのだろうかと心配。
でも、ラストはワクワクでした。
◆ジーン・ワルツ (新潮文庫)(海堂 尊)
曾根崎理恵が張り巡らせた二重、三重の仕掛け、医者でなければ書けないミステリーです。
産婦人科の現場は本当に大変なんですね。
医療過誤の問題、患者側の視点で書かれたものが正義って感覚があったけど、そんな考えが変わってしまう小説でした。
それにしても、子供を産むのって大変なんですね。
◆キケン (新潮文庫)(有川 浩)
有川さんの作品が文庫本になったので速攻で購入。
自分の大学も当時男子率95%くらい、体育会の部に入っていたので、文化祭では、部費稼ぎにマジで模擬店やりました。
自分は元山みたくお店の子だったので、焼きそば作りにはりきりました。
◆翔ぶが如く〈1〉 (文春文庫)(司馬 遼太郎)
明治6年、「花神」「峠」などの幕末ものの後、「坂の上の雲」の前の時代。
これを読めば司馬遼太郎の長編はほぼすべて読破したことになるはず。全10巻と長いので、ゆっくり司馬史観を堪能したいと思います。
◆無人島に生きる十六人 (新潮文庫)(須川 邦彦)
明治の海の男はすごい。とにかく明るくて前向きで。
それに、日本のためにも生きなければならないってのが、、、明治ってのはそういう気概にあふれた時代だったのでしょう。
◆変身 (新潮文庫)(フランツ・カフカ)
中学以来、何度目かの再読。そういえば、中学の時、友達と公園で遊んで、塀にへばりついて「グレゴール・ザムザ」とか言ってたのを思い出した。
◆一勝九敗 (新潮文庫)(柳井 正)
ユニクロの総帥の半生伝。すごい経営者と思う。
私は、ユニクロ原宿出店の98年頃は香港駐在で、対日衣料品輸出の仕事をしていたが、香港企業で「ユニクロのヤナイ」の評判は非常に高かった。
ガラパゴス化した日本のアパレル業界の中で、彼一人だけが世界を見ていた。
本書は03年までであるが、彼のその後の10年も凄まじい。抜擢した玉塚社長を馘首、自らが社長兼会長に復帰し、本当にユニクロを1兆円企業にした。続編もぜひ書いてほしい。
◆さくらえび (新潮文庫)(さくら ももこ)
ちびまるこちゃんの作者のエッセイ集。
自分をさくらももこではないと息子を騙している話には笑いました。
家族のネタがこれだけたくさんあるってのは、それだけですごいことだと思います。
ライトノベルが2冊。
◆ココロコネクト クリップタイム (ファミ通文庫)(庵田 定夏)
ふうせんかずらがほとんどでてこないココロコの短編集。ふうせんかずらがいないと、単なる平和で楽しい高校生5人組ですね。
最後に新入部員も迎えて、さあ、と思ったところでふうせんかずら登場、次作のニセランダムに続く。
新入部員のちっひーくん、ひと悶着おこしそうです。
◆俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)(伏見 つかさ)
アニメの2期が終わったところで、今さらの感はあるのですが、つい原作も読んでみたくなってしまいました。
最初は二人の関係、こんなんでしたね。軽い文章で、読みやすいです。
続きを読むかどうかはわかりませんけど。
◆シロクマのことだけは考えるな!―人生が急にオモシロくなる心理術 (新潮文庫)(植木 理恵)
大学では社会心理学のゼミに所属してましたので、一応専門分野のはずなんですが、、、分かりやすくてためになりました。
結構仕事にも役に立つかも。
歴史本が2冊
◆歴史を考えるヒント (新潮文庫)(網野 善彦)
マルクス史観、自虐史観の本。
日本という国名は、私は天武朝が皇祖神を太陽神としたことによるものだと思うし、たとえそれが政治的理由で為政者がつけた国名だとしても、「倭」よりはよっぽどマシだし、1300年以上も使われてきたおそらくは世界で一番古い国名を「変えてもいいもの」だとは全く思えません。
8,9世紀の蝦夷討伐を侵略というセンスも、所詮が現代人のメタ的発想。それならなぜ元寇を元の日本侵略と書かないのか、主張に一貫性がない。
◆逆説の日本史16 江戸名君編 (小学館文庫)(井沢 元彦)
相変わらずの決めつけの日本史観は、そんなにしつこく言わなくてもわかってるよ、と多少暑苦しいが、小気味よい。
禁中並公家諸法度で徳川幕府が骨抜きにしたはずの皇室が、なぜ討幕のイデオロギーになりえたのか。
日本人は無宗教というが、儒教、朱子学の宗教的側面ってのは、なるほど凄いもんだな。
しかし、日本という国は、なんとも特殊というか、独自の文化を持っている国だなと、あらためて実感。
◆阿部一族(森 鴎外)
司馬遼太郎の「この国のかたち」、井沢元彦の「逆説の日本史」の殉死の話でこの本が引用されていたので、青空文庫で読んでみた。
家光の時代はまだ全然戦国時代の気風が抜けていなかったんだなー。
武士の美学というよりも、閉鎖集団内の澱んだ水で醸造された悪しき風習としか思えない。こんな集団を武装解除した徳川幕府はすごい。
◆Who Moved My Cheese?: An A-Mazing Way to Deal with Change in Your Work and in Your Life
多分10年ぶりくらいに再読。久々の原書。
初めて読んだときはそれなりの感動があったけど、今あらためて読むと意外と陳腐。こういう自己啓発本も、世の中の進化に合わせて進化してるんでしょうね。
ちなみに自分の英語力はしっかり退化していました。
小野不由美さんの十二国記シリーズを3冊。
◆月の影 影の海(上)(下)(新潮文庫)
上巻はとにかくヒロインの陽子さんが災難でお気の毒でしたが、その彼女が実は王様でしたという怒涛の下巻。
ハッピーエンドかどうかは何とも言えないけど、陽子の成長物語と思って読んだので、ちょっと元気になれました。
◆丕緒の鳥 (新潮文庫)(小野不由美)
下級官吏を主人公にした短編集、死刑とか環境破壊とか、現代にも通じるものがテーマでした。
森見登美彦さんも3冊。
◆四畳半王国見聞録 (新潮文庫)
京都の阿呆な学生が出てくる、シュールに面白い、いつもの森見作品でした。「四畳半神話大系」「走れメロス」と共通の人物や組織が出てくる短編が7作、別の話だけど相互にうまく関係している。オモチロイけど、それで何なのって感じ。
◆きつねのはなし (新潮文庫)
4編の短編が繋がっているような、いないような、森見登美彦版ホラー。
人と人ならぬもののが背中合わせに棲んでいる、京都はこんな話が似合います。
◆ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
京都が舞台ではないし、主人公も小学生、こんな森見作品は初めて。
でもペンギンに海にジャバウォック、しっかり森見ワールドではありました。
アオヤマくん、小学校4年生にして、もう科学者であり、哲学者であり、しっかり男の子です。
黒岩重吾さんの壬申の乱にまつわる作品が2冊。
◆天の川の太陽〈下〉 (中公文庫)
上下巻で1300ページ、長かった。。。よくもまあ、ここまで詳しく書ききったものだと感心。
◆影刀―壬申の乱ロマン (文春文庫)
黒岩重吾さんの歴史小説25冊目は、壬申の乱にまつわる短編集。「天の川の太陽」を読んだ勢いで一気読みしました。
◆ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)(窪 美澄)
テーマは「生」と「性」かな。実家が産院の斎藤くんは、それが不可分だって肌感覚で分かっているのでしょう。エロかったです。
◆サクリファイス (新潮文庫)(近藤 史恵)
初近藤史恵。面白くって一気読みしました。
ロードレースはほとんど知識がなかったのですが、深いですね、このスポーツ。
とにかく石尾さんがすごい。エースの覚悟、チームや後輩への想い。感動ものでした。
◆博士の愛した数式 (新潮文庫)(小川 洋子)
以前映画で見て、「いい話だなー」って思ってました。
博士と母子家庭の親子の孤独な者同士のふれあい、数学と子供、博士の思い入れと優しさが調和して、心温まるお話になっていました。
√くんが算数の先生になった(映画ではこれが冒頭のシーンでした)というのが、また何ともうれしいです。
◆ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)(松岡 圭祐)
勘違い野郎が主人公の、勧善懲悪系の割とベタな会社もの。ただし、その舞台が、こともあろうにあの夢と魔法の王国とは。。。。
あの徹底した非日常性を継続的に維持するのは、ホントに大変なんだろうけど、子供のころからのディズニーファンの自分としては、この話、どこまでが本当なのだろうかと心配。
でも、ラストはワクワクでした。
◆ジーン・ワルツ (新潮文庫)(海堂 尊)
曾根崎理恵が張り巡らせた二重、三重の仕掛け、医者でなければ書けないミステリーです。
産婦人科の現場は本当に大変なんですね。
医療過誤の問題、患者側の視点で書かれたものが正義って感覚があったけど、そんな考えが変わってしまう小説でした。
それにしても、子供を産むのって大変なんですね。
◆キケン (新潮文庫)(有川 浩)
有川さんの作品が文庫本になったので速攻で購入。
自分の大学も当時男子率95%くらい、体育会の部に入っていたので、文化祭では、部費稼ぎにマジで模擬店やりました。
自分は元山みたくお店の子だったので、焼きそば作りにはりきりました。
◆翔ぶが如く〈1〉 (文春文庫)(司馬 遼太郎)
明治6年、「花神」「峠」などの幕末ものの後、「坂の上の雲」の前の時代。
これを読めば司馬遼太郎の長編はほぼすべて読破したことになるはず。全10巻と長いので、ゆっくり司馬史観を堪能したいと思います。
◆無人島に生きる十六人 (新潮文庫)(須川 邦彦)
明治の海の男はすごい。とにかく明るくて前向きで。
それに、日本のためにも生きなければならないってのが、、、明治ってのはそういう気概にあふれた時代だったのでしょう。
◆変身 (新潮文庫)(フランツ・カフカ)
中学以来、何度目かの再読。そういえば、中学の時、友達と公園で遊んで、塀にへばりついて「グレゴール・ザムザ」とか言ってたのを思い出した。
◆一勝九敗 (新潮文庫)(柳井 正)
ユニクロの総帥の半生伝。すごい経営者と思う。
私は、ユニクロ原宿出店の98年頃は香港駐在で、対日衣料品輸出の仕事をしていたが、香港企業で「ユニクロのヤナイ」の評判は非常に高かった。
ガラパゴス化した日本のアパレル業界の中で、彼一人だけが世界を見ていた。
本書は03年までであるが、彼のその後の10年も凄まじい。抜擢した玉塚社長を馘首、自らが社長兼会長に復帰し、本当にユニクロを1兆円企業にした。続編もぜひ書いてほしい。
◆さくらえび (新潮文庫)(さくら ももこ)
ちびまるこちゃんの作者のエッセイ集。
自分をさくらももこではないと息子を騙している話には笑いました。
家族のネタがこれだけたくさんあるってのは、それだけですごいことだと思います。
ライトノベルが2冊。
◆ココロコネクト クリップタイム (ファミ通文庫)(庵田 定夏)
ふうせんかずらがほとんどでてこないココロコの短編集。ふうせんかずらがいないと、単なる平和で楽しい高校生5人組ですね。
最後に新入部員も迎えて、さあ、と思ったところでふうせんかずら登場、次作のニセランダムに続く。
新入部員のちっひーくん、ひと悶着おこしそうです。
◆俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)(伏見 つかさ)
アニメの2期が終わったところで、今さらの感はあるのですが、つい原作も読んでみたくなってしまいました。
最初は二人の関係、こんなんでしたね。軽い文章で、読みやすいです。
続きを読むかどうかはわかりませんけど。
◆シロクマのことだけは考えるな!―人生が急にオモシロくなる心理術 (新潮文庫)(植木 理恵)
大学では社会心理学のゼミに所属してましたので、一応専門分野のはずなんですが、、、分かりやすくてためになりました。
結構仕事にも役に立つかも。
歴史本が2冊
◆歴史を考えるヒント (新潮文庫)(網野 善彦)
マルクス史観、自虐史観の本。
日本という国名は、私は天武朝が皇祖神を太陽神としたことによるものだと思うし、たとえそれが政治的理由で為政者がつけた国名だとしても、「倭」よりはよっぽどマシだし、1300年以上も使われてきたおそらくは世界で一番古い国名を「変えてもいいもの」だとは全く思えません。
8,9世紀の蝦夷討伐を侵略というセンスも、所詮が現代人のメタ的発想。それならなぜ元寇を元の日本侵略と書かないのか、主張に一貫性がない。
◆逆説の日本史16 江戸名君編 (小学館文庫)(井沢 元彦)
相変わらずの決めつけの日本史観は、そんなにしつこく言わなくてもわかってるよ、と多少暑苦しいが、小気味よい。
禁中並公家諸法度で徳川幕府が骨抜きにしたはずの皇室が、なぜ討幕のイデオロギーになりえたのか。
日本人は無宗教というが、儒教、朱子学の宗教的側面ってのは、なるほど凄いもんだな。
しかし、日本という国は、なんとも特殊というか、独自の文化を持っている国だなと、あらためて実感。
◆阿部一族(森 鴎外)
司馬遼太郎の「この国のかたち」、井沢元彦の「逆説の日本史」の殉死の話でこの本が引用されていたので、青空文庫で読んでみた。
家光の時代はまだ全然戦国時代の気風が抜けていなかったんだなー。
武士の美学というよりも、閉鎖集団内の澱んだ水で醸造された悪しき風習としか思えない。こんな集団を武装解除した徳川幕府はすごい。
◆Who Moved My Cheese?: An A-Mazing Way to Deal with Change in Your Work and in Your Life
多分10年ぶりくらいに再読。久々の原書。
初めて読んだときはそれなりの感動があったけど、今あらためて読むと意外と陳腐。こういう自己啓発本も、世の中の進化に合わせて進化してるんでしょうね。
ちなみに自分の英語力はしっかり退化していました。
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