ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

18年4月に読んだ本

2018-05-01 07:42:07 | 読書
4月は19冊、やや頑張った。
17年のカドフェスに挑戦中、6冊読んで計78冊読了、あと19冊。
18年のカドフェスが発表されるまであと2か月、うーん、間に合わないか。
◆少年たちは花火を横から見たかった (岩井 俊二)
思春期と言うよりもさらに幼い小学生時代の淡い思い出。多分今ではたどりようもなくなってしまったほどに遠い、たった一度の過去の出来事。おじさんになった私でも心にしみじみと感じるものがあります。
◆打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (大根 仁)
なるほど、元ネタがタイムリープありのファンタジーになっているわけですね。個人的には、普通の小説の「少年たちは、花火を横から見たかった」の、初恋と言えるか言えないかの淡さ、子供たちではどうにもならない現実がリアルで好き。
でも映像化となるとこっちなんでしょうね。

◆マリアビートル (伊坂 幸太郎)
ひょんなことで複数の殺し屋が同じ東北新幹線に乗り合わせる。「グラスホッパー」の続編ですね。「木村」「蜜柑」と「檸檬」「天道虫」、凄腕だけどどこか憎めないキャラの殺し屋たち。
その中で、絶対悪は中学生の「王子」、まさにサイコパス。殺し屋たちをあおり、ほくそ笑む「王子」、凄惨な闘いの行方をハラハラして見守るとともに、興味は「王子」に誰が天誅を下してくれるのかに移り、頁を繰る手が止まらない。次々と「王子」の手に堕ちる殺し屋たち、でもクライマックスに意外な真打の登場で胸がすっとする、極上のエンタメ。

◆あるがままに自閉症です (東田 直樹)
前著の「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」に続き読了。目からウロコ、人の内面って分からないものですね。自閉症の方と接する機会があったら、しっかり意識したい。こういうことを、障害ではなく、個性と思えるような人間でありたい。

◆死と呪いの島で、僕らは (雪富 千晶紀)
「これでもかっ!」と色々な要素がごちゃまぜに満載された青春エンタメホラーでしょうか。人がたくさん死んだ割には青春っぽいハッピーエンド、中々に楽しい作品に仕上がっています。アニメ映画化するとなかなかに映えるかも。

◆トリガール! (中村 航)
某TV局の鳥人間コンテストを題材にした軽めの青春エンタメ。ゆきなのスポ根、ラブコメっぷりが笑えました。基本紙派なのですが、これは電子書籍で読んでみました。電子書籍、悪くないかな。

今年の本屋大賞ノミネート作品から3冊
◆盤上の向日葵(柚月 裕子)
平成と昭和、20数年の時空を超えて二つの物語が並行して進行する。序章から、昭和の桂介少年は実業界を引退して転身した異色の棋士・上条佳介その人と分かる。しかしこの二つの話は、同時並行で進むばかりで、なかなかに繋がらない。薄幸の佳介少年の健気さは応援せずにはいられない。
じりじりと進む捜査に、やがてはその逆境を跳ね返し、プロ棋士として成功する後の佳介少年が、平成の白骨死体の遺棄や殺人に係っていないことを願いながら読み進んだ。ミステリーだが小説としても十分に面白い。本屋大賞ノミネート、このミスランクインも納得。

◆キラキラ共和国(小川 糸)
昨年の本屋大賞4位作品「ツバキ文具店」の続編。古都鎌倉の雰囲気とストーリーがマッチちて、何とも言えないほんわかしたお話で、安心して読めました。
でも、登場人物は良い人ばかりで、なんとなく物足りなさも。今年の本屋大賞10位はその辺かな。

◆騙し絵の牙(塩田 武士)
今年の本屋大賞6位作品は出版社のお話。やはり本屋の店員さんはこういう本が好きなのかな。
主人公は映像化を意識して?大泉洋さん決め打ち。ナイスキャラの雑誌の編集長、商売偏重、志を忘れた会社に対し正義の鉄槌。
自分は本好きの割には単行本は図書館だし、文庫本もブックオフが多いので、、、もう少し本屋さんで本を買いますね。

極上のミステリーを2冊。
◆ホワイトラビット(伊坂 幸太郎)
誘拐組織の一員・兎田は、新妻を人質に取られ組織から脅迫される。要求は組織の金を横領したオリオオリオという男の身柄の拘束、兎田はオリオのバッグにつけたGPSから、彼がいると思われる家に侵入、しかしオリオはおらず、これが人質籠城事件に。警察が集結し逃亡不可能な状況下、必死の兎田は警察にオリオをここに連れてこいと要求する。
でも、裏では、伊坂作品おなじみの泥棒・黒澤の予想不可能な筋書きのドラマが展開していた。地の文に時々解説が挿入されているので何とかついていけたが、うーん、これはややこしい。予測不可能。

◆ミステリークロック(貴志 祐介)
表題作を含む短中編が4作。ホームズ役は榎本径、防犯コンサルタントですが実は泥棒?ワトソン役の美貌の弁護士、青砥純子の素人推理を榎本が一刀両断に切り捨てる、そんな展開。
「鏡の国の殺人」「ミステリークロック」はトリックが難解で種明かしを読んでも今一つ理解できない。その割に犯人は予想通りというか、理屈抜きに想像がついてしまう。
「コロッサスの鉤爪」は面白かった。被害者は殺されて当然の嫌な奴だし、深海調査、飽和潜水、犯人はダツにサメ、ダイオウイカ?、トリックもダイナミックで小笠原諸島というロケーションも新鮮。

◆百年泥 (石井 遊佳)
第158回芥川賞受賞作。
借金に追われた私は、元夫の斡旋で、南インド・チェンナイのIT企業で日本語教師として働くことになる。100年に一度の洪水に襲われ、会社へ渡る橋には100年分の泥が積もった。通勤でエリートが羽をつけて空を飛ぶ当地ではそんなこともあるのだろう、100年分の泥の中から、私や日本語の生徒の昔の思い出が発掘されては捨てられていく。
不思議が顕在する混沌とした異国での出来事、なんとはなしにすべて受けとめてしまう私の脱力感が良い。

◆掟上今日子の色見本(西尾 維新)
このところ長編が続くこのシリーズ、「裏表紙」では逮捕されてしまった今日子さんだが、今回はなんと誘拐されてしまった。ワトソン役は親切くん、大活躍だったが、謎解きはやや無理やり?
次作は「五線譜」だそうで、何作目になるのでしょうか。最速の探偵ならぬ最速のシリーズ。

◆りゅうおうのおしごと! 5 (白鳥 士郎)
柚月裕子さんの「盤上の向日葵」と同じ将棋小説でも全然違う。続巻はでているが、これが実質の最終回ですね。アニメもここまで。
ロリコン、ラノベと侮るなかれ、元棋士の方が書かれた「サラのやわらかな香車」という小説があったが、それにロリとハーレムのラノベ要素を加えたようなお話、ベースはあくまで将棋にかける青春でした。
◆りゅうおうのおしごと! 6 (白鳥 士郎)
人気作品ゆえまだ続けるのですね。八一竜王も少年漫画っぽく最強になってしまったし、本来のラブコメ展開。
私はこういうのも好きなので、お付き合いさせていただきます。

◆入門 ビットコインとブロックチェーン(野口 悠紀雄) (PHPビジネス新書)
Q&A方式の分かりやすい入門書。仮想通貨、ブロックチェーンについては、正直仕組みがよくわかっていなかったので、(多分まだわかったような気になっているだけだけど)大いに参考になった。
このイノベーションがどのように利用されるかは、まだこれからの部分が大きいけど、世の中、変わっちゃうよね。自分なりに勉強して、おいていかれないようにしないと。

◆ブラタモリ 4 松江 出雲 軽井沢 博多・福岡
息子が博多に転勤になったので、引越しの手伝いを兼ねて2泊3日の博多旅行。再読してタモリさんの足跡を実地でたどりました。発掘現場って、あんな町のど真ん中だったんですね。
◆ブラタモリ 9 平泉 新潟 佐渡 広島 宮島
近江さん回、TV視聴済み。でも、佐渡、広島、宮島、TV放映を見る前に行っちゃったからなー。

◆SLAM DUNK(スラムダンク) コミック 全31巻完結セット (ジャンプ・コミックス)(井上 雄彦)
福岡に転勤した息子の部屋から全巻出てきた。といっても、昔自分が買ったものだけど。
感動した本と聞かれたら司馬遼太郎の「坂の上の雲」と「スラムダンク」と応えるくらいこの本が好きでした。でも、経年劣化でだいぶ痛んでいたので資源ごみに出します。捨てる前に通読。
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