ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

2月に読んだ本(青空文庫)

2013-03-01 20:49:52 | 読書
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2月に読んだのは、太宰治が9作。
◆お伽草紙
こんな日本昔話、生々しくってやだなー。
◆女生徒
グダグダと続く女性のモノローグ、でも本当に思春期の女性が書いているように思えるから、太宰さん、少女の気持ちもわかっちゃうのね。
不遜、繊細、不安、全部まとめてみずみずしい感受性とでもいえばいいのでしょうか。
おじさんなのにこういうものが書けるということがすごい。
◆ヴィヨンの妻
太宰治の書く男性は自分を投影してか天性の女誑しでどうしようもない男、でも女性はしたたかに逞しい。太宰の女性の一人称小説、うまいというか、文章が美しいですよね。 戦中戦後の混乱期の一筋の光明、こんな話を絶望の中で道化て書いていたのでしょうか。
◆斜陽
「人間はみな同じものだ。これはいったい思想でしょうか。(中略)ただのイライラです。嫉妬です」という直治の遺書のことば、、、この小説、「敗戦」という価値観の大転換期に、環境の変化に対応できず、またはあえて対応しようとすることを潔しとせず、滅びゆく人たち、そんな人たちへの鎮魂歌、なんでしょうか。そんな中で、生きようとする姉さんは希望なのか、滅びの美学に対する醜悪なアンチテーゼなのか、太宰さんの小説って何ともいえず美しいです。
◆パンドラの匣
この本の初出は昭和21年、敗戦という価値感の大転換期、それでも「健康道場」には、日本には、新しい希望が残ったということか。
当時としては新しい、上質な恋愛小説に仕上がっていると思います。
◆走れメロス
◆桜桃
◆美少女
◆グッド・バイ
太宰治って、玉川上水で入水自殺ってイメージがあるから、さぞかし暗い小説を書く作家って思うじゃないですか。
でも、作品によっては、全然違うんですよね。

森鴎外が2作。
◆ヰタ・セクスアリス
森鴎外の自伝的小説なんでしょうか。随分と禁欲的だったんですね、彼。
当時にしては思い切ってタブーに触れた小説なんでしょうけど、今となってはなんとも。
男色の先輩に狙われるのは嫌ですねー。
◆高瀬舟

青空文庫になるのは、著作権が消滅している、死後50年が経過している作家の本。だから、基本的に、昭和初期、あるいはそれ以前の文豪の作品が中心になります。
歴史小説好き、ライトノベル好きの自分です。こんなことでもなければ、太宰治とか森鴎外とか、読まないよねー。
これだけでも、元が取れたって思います。

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