リーダーの条件、指導者の資質

昔、伊藤忠の丹羽社長（当時）が、「ガイアの夜明け」で「エリートとは、自らを顧みず、周囲のために我が身を投げ打つ人のことである。」と言ってました。
この後に、「当社は、エリートを育てる会社である。」と続くのですが、それはさておき、今、使命感、自己犠牲、滅私奉公、この国難に際し、リーダーと呼ばれる人には、まさにそれが求められています。
実際、市町村長をはじめとする自治体の人、自衛隊、警察、消防、自らの命を顧みずに被災者を救った人、今救おうと奮闘している人が日本中にたくさんいます。
日本って、まだまだ捨てたもんじゃない。

さらに、その上の指導者になると、もうひとつ難題が加わる。
自分が私を顧みないだけではない、部下を死地に向かわせる覚悟が必要になってきます。
これは、本当に、自分のことより辛いでしょう。
危険な任務を全うしようとする人に対し一番必要なものは、名誉と感謝だと思います。
原発事故現場での放水と言う危険な任務に着いた消防隊に、石原都知事は涙を流して感謝の意を伝え、深く頭を下げた。
さすが石原さん、心得てらっしゃる。

天皇陛下のお言葉もすごく心に響きました。
さすが、平安の古より、国家の安全を祈願され続けてきた家系の末裔だけのことはあります。
無私ぶりも年季が違う、役者が違う。

それに比べ、総理の言葉はやや心に響く度合いが低いように思えてしまう。
一所懸命はやっていただいているのだろうけど、人間味の差なんでしょうか、なんか、私心、裏があるんじゃないかって、勘ぐってしまう。

でも、民主党を選んじゃったのは国民ですから。
私は民主党には投票しませんでしたが、日本国民が多数決で決めた与党ですから、全力で応援します。
役職が人を育てるというじゃないですか。
文句を言うのではなく、新米与党、新米総理を、国民皆で一人前に育てるんだくらいの覚悟はしよう。
最初の頃に比べると、この2，3日は、菅総理も面構えが良くなってきた気がします。
それに、鳩山さんじゃなくてまだ良かったじゃないですか。

日本中の人を、ひとつの旗印の下に団結させる力、菅さんには、ぜひこれを機に成長していただいて、あの難局を乗り切った名総理として、歴史に名を残して欲しいと思います。