ベストセラー書です。いかついタイトルの割には平易な内容で、2,3日ですっと読めました。
ちょっと極論すぎると思える部分もありましたが、共感できる部分が多々ありました。
本と直接は関係ないですが、この本を読んでこんなことを思いました。
1)日本の四季
私は以前4年間香港に住んでいましたが、1年のうちほぼ半分が夏、気温が10度くらいになる冬は数週間でした。
山がちで意外と緑の多い国なのですが、木々の葉は常に緑で一年中同じ花が咲いていました。
走るようになって、日本の四季を肌で感じるようになりました。
私のジョグコースである神田川沿いは、桜並木の遊歩道になっています。
夏は青々と葉が茂って直射日光をさえぎり、冬は丸裸になって弱々しい日の光を降り注がせてくれます。
厳冬の間も花の芽はしっかりと開花の準備をしていて、毎年3月の終わりには丸裸だった木があっというまに満開の花で埋まります。
そのわずか10日後には花びらは水面を桜色に染め、木々は新緑の衣を纏い始めます。
桜の花がこれほどまでに日本人に愛されるのは、その花の見事さと儚さ、散り際の潔さが、私たちの魂に共鳴するからなのでしょう。
「諸行無常」「もののあはれ」を解する心情を、私たちは日本の豊かな四季に育んでもらったのです。
香港人はこんな気持ちにはなれないと思います。
2)歴史と英語
香港に住んでいたとき、私は香港人の友人からこんなことを聞かれました。
「日本のメイジイシンにすごく興味がある。なぜアジアで日本だけが白人の植民地にならずに、先進国になれたのか。」
私は、少しだけ自国に誇りを感じながら、下手な英語で自説を30分くらい説明しました。今ならもう少し上手く説明できたのにと、ちょっと残念です。
外国人の友人がいるということは、常に民間外交をやっているようなものです。
日本人として大切なのは、英語がしゃべれることではなく、祖国のことをしゃべれることだと思います。
3)教育と性悪説
米国企業改正法404条というのがあります。
要するに横領や粉飾決算などの不祥事を起こさないように、社内を厳格に統制することを細かく企業に義務付けた法律です。
目的は投資家の保護で、会社は株主のものという米国的な発想から来ており、米国は自分たちが投資しやすいように、これを日本の企業にも守らせようとしてきます。(日本でも、ライブドアのようなことがありましたからねー。)
この法律、基本は全くの性悪説、悪いことをしようとしても途中でチェックが入って発覚する、そういう組織にしろということです。
悪いことをしようとしても出来ない、発覚するのでやらない!?
それよりも、「悪いことは理屈抜きにしてはいけない。」と教えるのが先ではないか。
404条なんかなくたって、「お天道様」が見ているのではないか。
子供の頃、母に繰り返し言われたことを思い出しました。
「もしお前が世間さまに顔向けできない悪い事をしたら、お前を殺して私も死ぬ。」
子供心に「殺されちゃかなわない。絶対悪いことは出来ないな。」と思いました。
4)美学(ダンディズム)
私くらいの年になると、特に金銭的には大体先が見えてきます。
「何とか住宅ローンは払い終わるかな、ギリギリ老後はいけるかな。」でも金持ちにはまずなりえません。
どうせなれないなら、かっこ悪いことはしたくない。
何がかっこ悪いって、自分的にはやっぱり仕事そっちのけで株や不動産の副業をやっている人はかっこ悪い。
2年くらい前でしょうか。
「ガイアの夜明け」というTV番組で、伊藤忠商事の丹羽社長(当時)が、「エリートとは、自分の損得を省みず、世の中のために無償で奉仕できる人間のこと。伊藤忠はエリートを育てる会社です。」と言っていました。
かっこいいです。
ちょっと極論すぎると思える部分もありましたが、共感できる部分が多々ありました。
本と直接は関係ないですが、この本を読んでこんなことを思いました。
1)日本の四季
私は以前4年間香港に住んでいましたが、1年のうちほぼ半分が夏、気温が10度くらいになる冬は数週間でした。
山がちで意外と緑の多い国なのですが、木々の葉は常に緑で一年中同じ花が咲いていました。
走るようになって、日本の四季を肌で感じるようになりました。
私のジョグコースである神田川沿いは、桜並木の遊歩道になっています。
夏は青々と葉が茂って直射日光をさえぎり、冬は丸裸になって弱々しい日の光を降り注がせてくれます。
厳冬の間も花の芽はしっかりと開花の準備をしていて、毎年3月の終わりには丸裸だった木があっというまに満開の花で埋まります。
そのわずか10日後には花びらは水面を桜色に染め、木々は新緑の衣を纏い始めます。
桜の花がこれほどまでに日本人に愛されるのは、その花の見事さと儚さ、散り際の潔さが、私たちの魂に共鳴するからなのでしょう。
「諸行無常」「もののあはれ」を解する心情を、私たちは日本の豊かな四季に育んでもらったのです。
香港人はこんな気持ちにはなれないと思います。
2)歴史と英語
香港に住んでいたとき、私は香港人の友人からこんなことを聞かれました。
「日本のメイジイシンにすごく興味がある。なぜアジアで日本だけが白人の植民地にならずに、先進国になれたのか。」
私は、少しだけ自国に誇りを感じながら、下手な英語で自説を30分くらい説明しました。今ならもう少し上手く説明できたのにと、ちょっと残念です。
外国人の友人がいるということは、常に民間外交をやっているようなものです。
日本人として大切なのは、英語がしゃべれることではなく、祖国のことをしゃべれることだと思います。
3)教育と性悪説
米国企業改正法404条というのがあります。
要するに横領や粉飾決算などの不祥事を起こさないように、社内を厳格に統制することを細かく企業に義務付けた法律です。
目的は投資家の保護で、会社は株主のものという米国的な発想から来ており、米国は自分たちが投資しやすいように、これを日本の企業にも守らせようとしてきます。(日本でも、ライブドアのようなことがありましたからねー。)
この法律、基本は全くの性悪説、悪いことをしようとしても途中でチェックが入って発覚する、そういう組織にしろということです。
悪いことをしようとしても出来ない、発覚するのでやらない!?
それよりも、「悪いことは理屈抜きにしてはいけない。」と教えるのが先ではないか。
404条なんかなくたって、「お天道様」が見ているのではないか。
子供の頃、母に繰り返し言われたことを思い出しました。
「もしお前が世間さまに顔向けできない悪い事をしたら、お前を殺して私も死ぬ。」
子供心に「殺されちゃかなわない。絶対悪いことは出来ないな。」と思いました。
4)美学(ダンディズム)
私くらいの年になると、特に金銭的には大体先が見えてきます。
「何とか住宅ローンは払い終わるかな、ギリギリ老後はいけるかな。」でも金持ちにはまずなりえません。
どうせなれないなら、かっこ悪いことはしたくない。
何がかっこ悪いって、自分的にはやっぱり仕事そっちのけで株や不動産の副業をやっている人はかっこ悪い。
2年くらい前でしょうか。
「ガイアの夜明け」というTV番組で、伊藤忠商事の丹羽社長(当時)が、「エリートとは、自分の損得を省みず、世の中のために無償で奉仕できる人間のこと。伊藤忠はエリートを育てる会社です。」と言っていました。
かっこいいです。
同時に、元文部科学省の岡本薫さんの「日本を滅ぼす教育論議」(講談社現代新書)というのを買って読みました。
基本的スタンスとしては正反対ですが、日本人のあり方を問う、と言うことでは同じ目的の本です。
こっちの方が読むのに時間がかかりますが、公平な判断のためにお勧めです。
海外にいると、余計こういう気持ちになります。
日本人でよかったなと思いました。
海外に長く住む友人にも何冊か送っています。
少し元気付けられて、背筋が一寸伸びて、すっきりしました。