ジョギングしていると、森の中から、上手く文字に出来ないが『ギャー』とか『グェー』という
大きな鳴声が聞こえることがある。
東京にも沢山いたオナガの鳴声を、オクターブ下げてパワーアップしたような声である。
時には随分と近くから聞こえるので、かなり恐いが、いつも姿は見えない。
『これは、オレの知らない鳥の鳴声だろう』と自分を無理やり納得させていたが、やはり
近場から聞こえるとビクッとしてしまう。
鳴声の正体がやっと判明したのは、『房総の害獣』とかいうテーマのテレビニュースを見て
であった。
鳴主は、台湾原産の『キョン』という犬くらいの小さな鹿のような動物であった。
10年くらい前につぶれた『行川アイランド』から逃げて増えてしまったらしい。
テレビから流れてくる鳴声は、まさにジョギング中のアレであった。
ほんとうにホッとしてしまった。
しかし、ミテクレと鳴声のギャップは大変なものである。