隣町の大原に『六本木美容室』という店が出来たのは知っていた。
そのときは、あまりにロコツな店名だなと思ったが、同名の東京のチェーン店が地方に
出店したのだということで、出かけてみた。
美容院(私はパーマ屋と言ってしまうが)だけではなく、食事を出来るカフェも併設されて
いる。
東京に居た頃は、妻がいくら行こうと言っても、このテのお店には絶対に行かなかったが、
今住んでいる周辺は、房総のリゾート地なので、そういうつもりで行ってみると、違和感は
ゼンゼンなくて、旅行気分で全く悪くなかった。
海辺のお店は、清潔で飾りなく、シェフかつウェイターの男の子は、物凄いいい男で、信じら
れない程物腰の良い好青年であった。もてるだろうなあ。
併設されている美容室も広々としてきれいであった。
引っ越してからも、東京で髪を切っていたけど、ここでやってもらおうかな。
勝浦の秋祭りへ出かけた。
今思えば、私の実家周辺のお祭りは、御神輿も御囃子も良く言えば元気が良く活気があった
が、どちらも激しすぎた。
子供の頃、漁師の親父達が担ぐ御神輿には恐くて近付けなかったのを覚えている。
勝浦の御囃子は、御宿と一緒で笛も太鼓も大変ゆったりしていて、とっても情緒がある。
子供の御神輿も、周りの親父達がしっかりサポートしていて、休憩時間には軽トラの荷台
に用意された様々な品を、『わー、オニギリだー』と楽しそうに飲み食いしていた。
見ていて、とても良いコミュニティーであるのが良くわかる。
こういうところで育てば、みんないい大人になるだろう。
本当に盛り上がるのは、夜になってからのようだが、それはまた来年のお楽しみにしよう。
ジョギングしていると、森の中から、上手く文字に出来ないが『ギャー』とか『グェー』という
大きな鳴声が聞こえることがある。
東京にも沢山いたオナガの鳴声を、オクターブ下げてパワーアップしたような声である。
時には随分と近くから聞こえるので、かなり恐いが、いつも姿は見えない。
『これは、オレの知らない鳥の鳴声だろう』と自分を無理やり納得させていたが、やはり
近場から聞こえるとビクッとしてしまう。
鳴声の正体がやっと判明したのは、『房総の害獣』とかいうテーマのテレビニュースを見て
であった。
鳴主は、台湾原産の『キョン』という犬くらいの小さな鹿のような動物であった。
10年くらい前につぶれた『行川アイランド』から逃げて増えてしまったらしい。
テレビから流れてくる鳴声は、まさにジョギング中のアレであった。
ほんとうにホッとしてしまった。
しかし、ミテクレと鳴声のギャップは大変なものである。