御宿ひぐらし日記

田舎暮らしをはじめて、、日々の閑話、、

フラットの数

2016-09-01 09:41:17 | 音楽

    

今週の古楽の楽しみはホストの大塚直哉が毎日ゲストを招いての1週間。

   

トラヴェルソの日には、調のハナシが興味深かった。

   

D管(シャープ2個)のトラヴェルソで、フラットが多い曲を吹くと、

難しいのはともかく、ストレートに響かず音がかすれたようになってしまう。

   

それなら、例えばヘ短調(フラット4個)の曲を下げて、シャープ1個のホ短調に

すれば良く響くじゃんというのは、考えが甘い。

  

中村忠さんが例に出していたのが、ヨハネ受難曲の最後のアリアで、フラットが

多くなって横笛の音色がくすむことがバッハの狙いで、『わが心よ、涙となって

融け流れよ』という歌詞で始まるこのアリアにはこの音が必要だったという。

   

古楽器から音色の均一化を目指した現代の楽器に移行した結果、特に木管楽器は

失ってしまったものが、大変大きい。

   

モダン楽器奏者の皆さん、古楽器を選ぶのには理由があるのです。

コメント
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