毎週土曜日の夜1時間、タヴィラ音楽学校が主催する種々のコンサートが教会で開催される。
先週は聖フランシスコ教会でファドのコンサートがあった。聖フランシスコはポルトガルやスペイン語でサン・フランシスコという。アメリカの西海岸サンフランシスコはこの聖人の名前を付けただけ。
ここタヴィラではやや大きめの教会で最近内装を更新している。
祭壇周囲もまだ改装されていなくてあちこち傷みが激しい。
天井だけはきれいに仕上がっている。
ファドはポルトガル独特の歌でポルトガルギターと普通のギターの伴奏で、恋歌などを歌う。日本の演歌に似ている。
ファドは聞いていても何を歌っているのかが判らないが、ポルトガルギターの奏者が非常にうまく
彼らだけの演奏では拍手が鳴りやまなかった。
さて次の週末はマーケットの日とサイクリングが重なった日で、サイクリングの表彰式を見たその足で、教会へ向かった。
この夜は音楽学校のピアノ教師ㇽイッシュが演奏する日。
この教会は相当古くて両側の壁のブルーのタイルが有名。ポルトガルではブルーのタイルがほとんどの公共建築物に見られる。
この日のㇽイッシュが演奏するのは1930年代のドイツ無声映画の伴奏で、1930年代にモダンな未来映画メトロポリスが作られただけでも素晴らしい。
映画は3時間近くになるがそれを50分に短縮してルイッシュが作曲したピアノ曲を聞きながら映画を見る。映画は会話のドイツ語がスクリーンに映るがその翻訳もポルトガル語で全然わからない。
ルイッシュは楽譜なしで画面を見ながら素晴らしい演奏をして、まったくこんな片田舎に埋もれさせるのが惜しいくらいだった。映画は会話が判らなくても、画面を見ていてほとんど想像がつくが、帰ってインターネットで調べて見たら、ストーリーがよく分かった。もう一度見て聞いてみたいコンサートだった。