つい3日前まで毎日晴天が続いて、キャンプサイトの片隅のオレンジとオリーヴの木々が茂る運動場で、ラジオ体操をしていた。
3日前から急激な天候不順、強風と絶え間ないにわか雨がやってくる。朝夕お構いなしの雨でこんなに雨が降り続いた年はポルトガルで越冬してきた過去9年間で初めて。雨が降っても風が吹いてもラジオ体操をやめない6,7人はビニールの天幕が張ってある砂場(テント用)で体操とストレッチ、それにおしゃべりで楽しんでいる。
この3日間体操に来ないマイクはどうしたのだろうと話題になったら、彼からメールが来て、彼の運動靴の底が破れて水が漏るようになった。新しい靴を買わなければいけないが雨がひどくて・・・と言ってきた。思わず笑ってしまった。
ストーム・エマと名付けられたこの嵐はヨーロッパ各地で雪を降らし、英国では交通マヒや停電などを招いている。
昨夜BBCのテレビで1963年の大寒波の様子を1時間にわたって放送していた。この時は12月26日に降った雪が溶けぬ間に豪雪と寒波に襲われた英国全土は、2か月間寒波が去らず、孤立してしまった町村にはヘリコプターでの食料移送と急患の移送を行った。
この時はテームズ川が凍り北海の海辺も氷で覆われ、小鳥や海鳥がえさを探せなくて何万羽も死んだそうだ。この時オランダもすごい寒波でオランダには山がないから雪こそ積もらないがすべてが凍ってしまったと、オランダ人のヤン夫妻が話してくれた。
この1963年は私が福井の日赤病院で看護学校へ入った年、福井の山奥の村では積雪7メータになり雪の重みで農家が何軒か押しつぶされた。そんな中で3,4歳の男児が3日後に救出されたというニュースが有った。
ヨーロッパと日本では北半球の反対側になるけれどもこの年は北半球がほとんど寒波に襲われたのかもしれない。地球は狭いとつくづく感じながらテレビを見ていた。