1.ドロップアウト-再びの抗がん剤治療
2008年の人間ドックで腹部エコーで陰が見つかり、
その後、近所の病院で診察してもらったところ、悪性リンパ腫が疑われた。
そこで千葉県がんセンターに紹介状を書いてもらい、腫瘍血液内科を受診した。
血液造影剤によるCTスキャンやガリウムシンチ、
さらには日帰り手術によるリンパ腺の摘出など、長期間に渡っての検査の結果、
同年12月24日に“濾胞性リンパ腫”と診断された。
この病気は悪性リンパ腫の中でも進行が遅く、
そのためリンパ節の腫れから見つかることが多いのだが、
腹部エコーで偶然見つかったのは、近所の病院の担当医がたまたま、
千葉県柏市の国立がん研究センター東病院の医師だったからだ。
専門医だからこそ、悪性リンパ腫を疑ったが、
もし普通の内科医だったらもっと病状が進行して、
リンパ節が腫れるまで気付かなかったかもしれない。
たまたま人間ドックの腹部エコーに影が映り、
たまたまそれを見たのががんの専門医だったという偶然の重なりが、
早期の発見に繋がったのだ。
翌年から抗がん剤による治療が始まった。
治療には3種類の抗がん剤と副腎皮質ホルモン剤と併用するCHOP療法が取られる。
CHOP療法とは、Cyclophosphamide、商品名エンドキサンの“C”、
Hydroxydaunorubicin、商品名アドリアシンの“H”、
Oncovin、オンコビンの“O”
Prednisolone、プレドニゾロンの“P”の頭文字を取ったものである。
さらにrituximab、商品名リツキサンを加えたr-CHOPが採用された。
リツキサンは抗CD20モノクロナール抗体という、
リンパ球の中のB細胞の表面の特殊なタンパクに結合してリンパ腫細胞を死滅させる。
リツキサン単体では十分な効果が期待できないことも多いので、
副作用の多いCHOP療法と敢えて組み合わせて投与される。
これらの薬剤は副作用も強いので、時間をかけて生理食塩水に混ぜて点滴される。
しかも全てを1日で点滴するのは無理なので、2日に分けて点滴する。
3週間ごとに8回行い、最初は副作用が出た場合に直ぐ対処するために入院したが、
2回目以降は通院で点滴を行った。
抗がん剤の副作用で髪の毛は抜け、激しい吐き気や指先の感覚がなくなるなど、
厳しい副作用との戦いが半年以上も続いた。
そのあと体調が戻るまで自宅療養し、2009年10月から仕事復帰した。
半年間の抗がん剤治療で“寛解”まで至ったが、
それでもこの病気は“完治”することは現在の医療技術では不可能であり、
必ず再発するといわれていた。
そのため仕事復帰していたからも定期的に千葉県がんセンターに通院して検査してきた。
そして“寛解”から約5年後の2014年3月6日、
この日の血液検査でデータの異常が確認された。
今年6月6日に血管造影剤を使ったCTスキャンを行う予定になった。
検査を行った3月6日の翌日、会社の上司に再発したことを報告、
今後の検査次第では暫く仕事を休むことになることを告げた。
現在の人員配置では自分が仕事を抜けた場合、会社の仕事が回らなくなってしまう。
特に運行管理者としての仕事は国家資格を持つ運行管理者有資格者から指名しなければならない。
そのために確定診断が出る前に事前に上司に状況を報告したのだ。
治療開始までは仕事を続けるつもりだったが、
上司から治療が始まればまた1年くらい旅行に行くことができなくなってしまうだろうから、
少し早めに休暇を取って治療開始の前に少しゆっくりするがいいとの言葉をもらった。
その言葉に甘えて、仕事は引き継ぎが充分にできる5月20日(火)までの勤務として、
そこから休暇を取ることにした。
そして仕事を休む5月21日(水)から旅行に行くことを計画することにしたのだ。
2008年の人間ドックで腹部エコーで陰が見つかり、
その後、近所の病院で診察してもらったところ、悪性リンパ腫が疑われた。
そこで千葉県がんセンターに紹介状を書いてもらい、腫瘍血液内科を受診した。
血液造影剤によるCTスキャンやガリウムシンチ、
さらには日帰り手術によるリンパ腺の摘出など、長期間に渡っての検査の結果、
同年12月24日に“濾胞性リンパ腫”と診断された。
この病気は悪性リンパ腫の中でも進行が遅く、
そのためリンパ節の腫れから見つかることが多いのだが、
腹部エコーで偶然見つかったのは、近所の病院の担当医がたまたま、
千葉県柏市の国立がん研究センター東病院の医師だったからだ。
専門医だからこそ、悪性リンパ腫を疑ったが、
もし普通の内科医だったらもっと病状が進行して、
リンパ節が腫れるまで気付かなかったかもしれない。
たまたま人間ドックの腹部エコーに影が映り、
たまたまそれを見たのががんの専門医だったという偶然の重なりが、
早期の発見に繋がったのだ。
翌年から抗がん剤による治療が始まった。
治療には3種類の抗がん剤と副腎皮質ホルモン剤と併用するCHOP療法が取られる。
CHOP療法とは、Cyclophosphamide、商品名エンドキサンの“C”、
Hydroxydaunorubicin、商品名アドリアシンの“H”、
Oncovin、オンコビンの“O”
Prednisolone、プレドニゾロンの“P”の頭文字を取ったものである。
さらにrituximab、商品名リツキサンを加えたr-CHOPが採用された。
リツキサンは抗CD20モノクロナール抗体という、
リンパ球の中のB細胞の表面の特殊なタンパクに結合してリンパ腫細胞を死滅させる。
リツキサン単体では十分な効果が期待できないことも多いので、
副作用の多いCHOP療法と敢えて組み合わせて投与される。
これらの薬剤は副作用も強いので、時間をかけて生理食塩水に混ぜて点滴される。
しかも全てを1日で点滴するのは無理なので、2日に分けて点滴する。
3週間ごとに8回行い、最初は副作用が出た場合に直ぐ対処するために入院したが、
2回目以降は通院で点滴を行った。
抗がん剤の副作用で髪の毛は抜け、激しい吐き気や指先の感覚がなくなるなど、
厳しい副作用との戦いが半年以上も続いた。
そのあと体調が戻るまで自宅療養し、2009年10月から仕事復帰した。
半年間の抗がん剤治療で“寛解”まで至ったが、
それでもこの病気は“完治”することは現在の医療技術では不可能であり、
必ず再発するといわれていた。
そのため仕事復帰していたからも定期的に千葉県がんセンターに通院して検査してきた。
そして“寛解”から約5年後の2014年3月6日、
この日の血液検査でデータの異常が確認された。
今年6月6日に血管造影剤を使ったCTスキャンを行う予定になった。
検査を行った3月6日の翌日、会社の上司に再発したことを報告、
今後の検査次第では暫く仕事を休むことになることを告げた。
現在の人員配置では自分が仕事を抜けた場合、会社の仕事が回らなくなってしまう。
特に運行管理者としての仕事は国家資格を持つ運行管理者有資格者から指名しなければならない。
そのために確定診断が出る前に事前に上司に状況を報告したのだ。
治療開始までは仕事を続けるつもりだったが、
上司から治療が始まればまた1年くらい旅行に行くことができなくなってしまうだろうから、
少し早めに休暇を取って治療開始の前に少しゆっくりするがいいとの言葉をもらった。
その言葉に甘えて、仕事は引き継ぎが充分にできる5月20日(火)までの勤務として、
そこから休暇を取ることにした。
そして仕事を休む5月21日(水)から旅行に行くことを計画することにしたのだ。