8.再びのアキュムと建て替えられた男鹿駅-男鹿線の完乗
秋田駅に到着した時間は13:35頃で、男鹿線直通男鹿行きが13:38にあった。
そこでまず1番線の男鹿線直通の奥羽本線下りホームに行って、
発車直前のキハ40形の車両取材する。
秋田駅は基本的には単式ホーム1面と島式ホーム3面の構造になっており、
単式ホームの青森方面を切り欠いて1番線としている。
また7番線8番線ホームの上り方面を新幹線専用ホームとしている。
車両取材後に改札を出てコインロッカーに荷物を入れる。
駅ビルで昼食を喰ってから少し駅前を散策し、
スマホで男鹿線の上り列車の到着時間を確認して再び改札を入場する。
そこにはEV-E800系交流蓄電池電車「アキュム」が停車していた。
以前、烏山線でEV-E300系直流蓄電池電車を取材したが、
烏山線と同様、蓄電池車の愛称として「アキュム」が名付けられている。
もともとの予定だとこのダイヤの1本あとだったので、
先ほど取材したキハ40系に乗ることになっていた筈だ。
EV-E800系「アキュム」は2両編成で、赤と青の塗色が採用されていた。
15:28に秋田を出て奥羽本線を追分まで行き、3分の停車時間で男鹿線に入り、
蓄電池からの電力のみで交流モーターを動かして終点の男鹿まで行く。
男鹿に到着したのは16:28だった。
蓄電池電車の欠点は直ぐの折り返しができないことだ。
男鹿駅では30分の停車時間で専用の架線から充電し、追分までの電力を充電する。
そのため充電用の施設を備えた新しい男鹿駅が建設されている。
これを取材してから以前の男鹿駅まで行き、これも取材する。
地元の人間のためか、駅が移ったことを知らせる張り紙が貼ってあった。
以前の駅舎は既に立ち入り禁止になっていた。
新しい方の駅舎は屋上にも出られるようになっている。
行ってみたが、ちょうどポツポツと雨が降ってきてしまい、早々と退散した。
男鹿駅は入場制限がかかっており、仕方がなく待合室で待つことにした。
待合室にはなまはげのオブジェが設置されており、
そこには以下のような説明書きがあった。
なまはげ伝説
昔、官の武帝が飛車に乗り、
五匹のこうもりを従えて男鹿にやってきた。
こうもりは五匹の鬼に変わりよく働いたので、
武帝は正月十五日の一日だけ休みを与えた。
鬼たちは初めての村里に来てうれしさのあまり、
畑を荒らし、家畜や娘たちをさらっていった。
これに怒った村人は鬼退治に出かけたが、
力の強い鬼たちに散々な目にあわされた。
困った村人たちは、鬼たちと「かけ」をすることにした。
「毎年ひとりずつ娘をさし出すかわりに、
五社堂まで一夜のうちに千段の石段を造ること。
これができなければ二度と村へは来るな」と。
鬼たちは日暮れを待って、石段を積み始めた。
あわてた村人たちは、
ものまね上手を使って鬼たちが九九九段まで
積み上げたところで「コケコッコー」と
一番鶏の鳴きまねをさせた。
鬼たちは飛び上がって驚き、怒り、
そばにあった千年杉を引き抜き、
まっさかさまに大地に突き刺し山に帰っていった。
それからというもの、
鬼たちが再び村へ下りて来ることはなかった。
改札が始まり、再びEV-E800系「アキュム」に乗り込んだ。
到着した時には気付かなかったが、
駅の海側には風車がたくさん設置されていた。
たぶん、蓄電池電車に充電するための電力を発電させるためだろう。
16:58男鹿駅を発車した「アキュム」は蓄電池を使って追分まで行き、
奥羽本線に入って17:57に秋田に到着した。