rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

ねこ、虹の橋を渡る

2014-09-08 22:50:28 | ねこ

最後の写真


二重の虹 17:35

今日の9時45分、ねこの命の灯火が消えた。
左前足に負った傷が元となって化膿し、衰弱しやせ細って、そして死んだ。
高齢のため、処置のしようがなかった。
3週間、よく耐えた。
家族みな、悲しみにくれる。
しかし、死によってつらい痛みから開放されたけれど、安堵の気持ちがないわけではない。
それでも、割り切れないのが愛。
もう、ねこがいないと思うと、心に大きな穴が開いて、言いようのないさみしさが流れ出てくる。
夕方、南東の空に大きな二重の虹がかかった。
遠くで雨が降ったのだろうけれど、小さい人とこの虹を見ながら、きっとねこはこの虹を渡って空へ昇っていったのだろうと。




猫の世界も非情なり

2014-08-20 22:09:05 | ねこ
ねこの命が細々と、今にも消えそうになっている。
この猛暑に老体のねこは体力をがくんと落としていた。
おととい、夜中の散歩を楽しんでいたらしいねこだったが、我が家へ周回してくる三毛猫に襲われたらしく、後ろ足に激しく怪我を負った。
この三毛猫、かなり性悪らしく、我が家のねこをいつもいじめては、たびたび怪我を負わしている。
猫好きといえども、我が家のねこをいじめるやつは見過ごせない、三毛猫を見かけるたびに追い払っていた。
しかし、いつも守ってあげられるとは限らない。
今回は、弱り目に祟り目、暑さもあいまって怪我が化膿して衰弱し、食欲が失われている。
いま、三毛猫の襲ってこない母屋の廊下の隅に用意した寝床で、じっと回復に努めているところ。
それにしても、あの三毛猫、人の縄張りに入ってきてそこの主のねこをいじめるなんてけしからん。
15歳の老猫であるうちのねこをなんと思っているのだろうか。
弱ったもの、老いたもの、自分が生きるためには躊躇なく攻撃を仕掛けるのは、猫の世界も免れないのか。
ねこの名誉にかけて、我が家のねこはとてもやさしいねこだといえる。
どこからともなくやってくる他所の猫たちに、惜しげなく自分の餌を分けてあげ、自分の芝生に寝そべっていても追い払うことなどしなかった。
田舎において猫や犬は、特別に飼うことなくても絶えず家にいる動物で、おおくの猫に接してきた義母や家人が口をそろえて言うには、このねこは一番気立てよく賢いとのことだ。
こうしている間もねこは懸命に戦っている。
ねこに長生きして欲しい気持ちはもちろんあるけれど、ねこの行動の自由を束縛してまでの長生きには疑問を禁じえないのであった。
命のあるべき姿は、本来は過酷なものとも思うから。



音楽を聴きながら

2014-08-13 10:51:41 | ねこ


Wolfgang Amadeus Mozart - Symphony No. 25 in G minor

今日のねこは、私が庭掃除している間中ずっと後をつけてくる。
洗濯物を干すときも傍にいて、それなら場をヒーリング効果を狙ってモーツァルトの音楽を流してみた。
すると、ねこはゆったりとくつろいで横たわり、うとうと寝始める。
私がこの避暑部屋で絵を描いたり、パソコンでブログを書いていたりするときに音楽をかけていると、ねこはふらりとやってきて音楽に耳を傾けているような具合だった。
だから夏の暑さでまいっている今こそ、音楽の癒しを得させたいと思ったのだ。
今も、ねこは時々日向から日陰へと場所を交換しながらもずっと近くにいる。
写真を撮ってその様子をお見せしたいところだが、毛並みがぼそぼそと悪い状態のねこの姿をさらすのは、先日のブログ「もう写真は撮らないで欲しいの」にあるようにねこに気の毒なのでそれはしない。
昨夜からの涼しさがかすかに残る日陰での、束の間の休息を音楽とともに満喫するねこがいる。



W.A.Mozart - Serenata No.6 en Re Mayor, K.239 "Serenata Notturna"



もう写真は撮らないで欲しいの

2014-08-05 22:41:20 | ねこ
お母さん、暑いね。
今日もお日様が眩しくて、暑い風が土ぼこりを連れて吹き付けてくるんだよ。
だからアタシ、お日様が追ってこない風の通り抜けるあの倉庫脇の椿のトンネルで寝ていたんだ。
お日様も木の向こうにいっちゃったし、お母さんが階段を下りてくる音が聞こえたから、アタシご飯を食べたくて来てみたの。
お母さん、ご飯ちょうだい。
えっ、そうなの、わかった待っているよ。
あっ、お母さん来た来た、手にご飯持っている。
でもアタシ、いっぱいは食べられないな・・・
そうそう、お母さんわかっているんだ、半分だけくれた。
アタシ、歯が弱くなったから、ちゅるんとしてやわらかいものじゃないと食べられないの。
魚のゼリーよせ、おいしい。
お母さん、おいしかったよ、ごちそうさま。
お花に水をあげているのね、ちょっとだけお母さんの近くにいようかな。
時々お母さんが話しかけてくれるし、頭をなでてくれる。
もしかして、アタシの写真を撮りたいの?
それはいやだな、だってアタシの毛並みは今とっても悪くって、やせちゃったから。
こうしてお母さんからご飯をもらって、話しかけてくれたらそれでいいの。
うん、どうやらわかってくれたみたいね。
アタシはねこだから、きれいな毛並みのときじゃなきゃ、写真なんて我慢ならないって知っているみたい。
よかった。
もし、涼しくなってご飯をいっぱい食べられて、毛並みも元通りになったなら、そのときはどうぞ好きなだけ写真を撮ってもいいことよ。

取引するねこ、齢15。

2014-07-16 10:58:21 | ねこ


さてもさて


ごちそうさま

ねこが、いつものように私の気配を感じてどこからともなくエサをねだりにあらわれた。
エサというより10時のおやつだが。
洗濯物を抱えた私は、「ちょっとまって」と返事をする。
ねこは私に熱い視線を投げかけながら、「ごあん」と言い続ける。
私はねこに言う、「ごあんあげるけれど、ちょっとは写真に付き合いなさいよ。」
そして私が洗濯物を干し終えてゼリーで固めた魚のパウチをひらひらさせてねこに見せると、ねこは目を見開いて興奮し、エサを食べる場所へと向かう。
待ってましたとがつがつエサを食べるねこ。
ねこがエサを食べ終えたのを見計らってカメラを取りに行く。
ねこは、悠然と餌場から離れ歩き出し、こらこら写真はどうしたと焦る私を尻目に進む。
ねこの先に回りこんでねこの歩いてくる姿を写真に収めようをしていると、ねこはおかまいになしに私に近づいてきたけれど、どうやら写真に付き合ってあげようというつもりらしい。
そこで一枚。
次に場所を変えたねこは、これでどうだとポージング。
数枚撮り終えたと見るや、次に縁の下に向かってまたポーズ。
私がシャッターを数枚切ったならば、ねこは撮影会終了と歩み去っていった。
ねことの取引は交渉成立、結局パウチ1つで10分か。
なかなかねこもたいしたものだ、伊達に15年生きてはいない。




ハイ、ポーズ


カラバッジョのように