数年おきに訪れている、茨城県立歴史館。
子供のころより散歩で、学校の行事で幾度となく来ては、手入れの行き届いた庭を楽しんでいた。
ここには、美しく紅葉する多くの樹木が植えられており、晩秋から初冬にかけて来館者の目を癒す。
今回は、イチョウの黄葉は最盛期を過ぎていたけれど、地面に隙間なく落ちた葉はさながら黄金の絨毯のようで、そこに樹幹のとその陰があたかも古代遺跡の神殿を思わせて、どのタイミングでもいいのだと思われた。
蓮池に向かう道にあるもみじは、これ以上鮮やかになれないだろうという発色で、歩く人を魅了する。
冬枯れの渋い色合いで変化をもたらす蓮池は、安定の美しさを保持して、変わらぬ存在を控えめに主張していた。
水車小屋から古民家、茶室に導く裏道には、様々な楓が植えられていて、紅葉のグラデーションを織り成している。
まさに「錦」と表現されるもの頷けた。
よく晴れて風もなく穏やかな小春日和の続いている、その中の美しい一日だった。