日本で約70年ぶりにデング熱の感染があった。
渡航暦のない埼玉と東京に住む人らしく、どのような経路で感染にいたったか究明中とのこと。
熱帯や亜熱帯地域で蚊を媒介とするデング熱がいよいよ日本に伝播するころあいとしてもおかしくない昨今の気温、たとえ冬になっても生き延びる条件が十分整っているゆえ、大変な脅威となるのは時間の問題か。
同時にマラリアも警戒しなくてはならない。
もちろん、国際空港などではかなり前から航空機に侵入している蚊などの駆除を慎重にして、水際作戦を展開しているらしい。
しかし、そうと知らずに来日している感染者の体液を吸った蚊による感染の拡大ということもある可能性がないとはいえないので、楽観視できない。
人も物流も世界どこでも短時間にできてしまう利便性には、このような負の副産物も付いてくる。
毒をもつオーストラリア原産のセアカゴケグモも、毎年のように発見され、時には噛まれて被害をこうむる人がでる。
人の活動により生物界の生息状況は短時間に変化してきたが、それが定着するには生息条件の類似があった。
いま、気温の変化や都市における人工的環境が作り出したものによって、生息条件が本来あったものとの質の変化により、違う条件下のものが侵出するようになった。
あるいは、未踏の地などへの人の進出もある。
人は、新たな領域のものと共存しなくてはならない時期に入った。
いわゆる未知のウイルス、細菌がその代表格だ。
エイズウイルス、エボラウイルス、ラッサウイルスなどが有名か。
これまでも行ってきたように、人はそれらに立ち向かっていくのだろう。
生命に組み込まれた宿命に従って。