rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

買い物メモ

2012-06-29 22:26:57 | つぶやき&ぼやき
買い物をするときには、必ずメモを見ながらする。
そうでないと、何を買うはずだったのか、とんと思い出せないからだ。

日頃、買い物が済んだそのあとから、台所に置かれたメモには、一つまた一つと、買い物リストが増えていく。
そして、書き付けられた瞬間から、何を買うべきなのか、頭からすっぽり抜け落ちる。
記憶が、文字となってメモ帳に移住したかのように。

この習慣は、20代の一人暮らしをした頃から、既に始まっていた。
当時、買い物メモを片手に買い物する人の姿は、年配の方を除けば、珍しかったように思う。

しかし、ここ最近、最寄のスーパーで買い物をする人たちに、若い方も含め、メモを片手に買い物をする光景をよく見かけるようになった。
自分のようなタイプの人が、この周辺に多い?そんなことはありえない。
おそらく、経済的に羽振りのいい人が減り、必要最低限の物を買って無駄遣いしない予防法として、メモを見ながら一心不乱に買う人が増えたのではないかと、想像する。
何を買おうか、あれこれ商品に目をやっていると、衝動買いする機会が増えてしまいそうだ。
だから、買い物メモ。
そうすれば、必要なものを客観的に捉え、余分なものを買わないブレーキになる。

たしかに、買い物メモは、貧者の知恵かもしれない。
どうにか食べてくることはできたけれど、どう考えても景気の良かった経験のない自分には、買い物メモは生きる知恵だったのだ。

買い物メモ、もう実践済みですか?

渋い和の花たち

2012-06-28 11:37:50 | 植物たち

南天の花

控えめに庭に咲く花、南天の花と黒龍の花。
春のやさしく華やかな花のあとの、原色のツツジやサツキが終わりを告げると、庭はただ緑の王国になる。
ホタルブクロがまだおとなしく咲き続け、キキョウのつぼみが膨らみ始めた。
そんな合間をそっとぬい、地味な小花をつける南天と黒龍。
よく見ると、南天のつぼみの下はほんのりと紅色で、色を注すにも控えめだ。
黒龍の花は、黒い葉に合うように、白の着物の上に薄紫の羽織を羽織っている。
晴れた日にもさりげなく、雨の日にはしとやかに咲く和の花。
人目をぱっとひきつける派手さはないけれど、花のたおやかさをそっと教えてくれる。
南天と黒龍の花は、ことにそんな風情を持っていると思うのだ。


竜のひげ 黒龍の花

梅雨なのに、爽やかな美しい日が続いていた

2012-06-27 22:40:41 | 空・雲・星・太陽たち
写真を撮ろうかと、何度思ったことか。
しかし、ただ眺めていた。
眩い光が辺りを包み、草木の緑はくっきりと照らし出されている。
時折そよぐ乾いた北よりの風が木の葉を揺らし、過ぎるトンボの姿で、目の前のものが生きていることを教えてくれる。
そのあまりの美しさに、心を奪われ、それが高じてとても切なくなるのは、どうしてだろう。
断固たる美しさの前に、人の愚かな生き様が、とてつもなく恥ずかしく思え、消え入りたい気持ちになるからなのか。

とはいえ、今は梅雨なのだ。
九州四国地方では、台風と連日の大雨で、水害に土砂災害に見舞われ、困難な状況が続いている。
西日本、北陸日本海側は、夏日と暑さにうだっている。
なのに、関東のこのあたりは、かつての北海道の6月を思わせる、からりと乾いて涼しく快適な日とは。

人の物差しで言えば、異常気象。
地球の感覚で言えば、長いサイクルのうちの一コマにすぎない。
それでも、まったく人が異常気象に関与していないともいえないので、ただ天をうらむこともできまい。

いつ賜るかもしれない天の贈り物である、ここ数日の素晴しい日。
目で見て、肌で感じて、音で聞いて、風の香りをかいで、存分に楽しませてもらった。
明日から、また梅雨の空模様に戻るという。
今日のこの美しい日を記憶の宝箱に入れて、雨の日には思い出そうか。
きらきら輝く太陽の光、そよぐ風、鮮やかな緑を。





いつものことなのだが・・・

2012-06-26 22:24:05 | つぶやき&ぼやき
何のための国会。
誰のための政治。
どうしたいのか政策。
何をするための政治家。

いつものことだが、日本の政治家は臭い三文芝居を延々とうっている。
あーあ、チャンチャラおかしいや。
せりふもお涙頂戴調で、「心から、心から、心から」って、政治は情緒的な活動ではない。
全ての状況を考慮して、その中で如何に堅実確実な未来を築けるか、冷静かつ論理的に政策を練り、遂行する努力を払うものだ。
今行われている、世論を誘導、つまり、騙すためにお涙頂戴劇をするにしても、その根底に確かなものがあるのだろうか。
実は、深い思慮のもとに、道化を演じているのかもしれない。
はたまた、さらによからぬ方向に向かう布石を秘密裏に打っているところなのか。

本当に日本国と国民を守るための政治が行われているとは、到底信じがたいこの30年だ。



イギリスの枯れない薔薇、バーン・ジョーンズ

2012-06-25 20:03:20 | アート

いばら姫

19世紀後半のイギリスに花開いたラファエル前派、バーン・ジョーンズの時代。
神話や物語をモチーフに、ロマンチックで装飾的な絵を精緻な筆遣いで描きあげた。

しっとりとしながら華麗で硬質な絵肌は、無色透明な樹脂に閉じ込められたバラの花のよう。
色褪せることも枯れることもないが、手で触れることはもちろんできない、永遠の平行線が横たわるのだ。
彼は、次々と枯れない薔薇を作り出す。
それは、ステンドグラスやタペストリー、タイルの絵柄やジュエリーデザイン、舞台衣装などと幅広く、いたるところに枯れない薔薇を咲かせた。
樹脂に守られた枯れない薔薇だけれど、甘くそれでいて涼やかな芳香を放っているように感じるのは錯覚か。

バーン・ジョーンズは、その秘密の製法を持って、地下深く眠りについている。
そこには、熱くない太陽が輝いて、秘密の製法で作られた花々が、微かに香りを放っているのだろう。
あたかも、シルバーグレーのローブを纏ったバーン・ジョーンズの手から、ほろりほろりと生まれ出でるかのように。


黄金の階段