rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

締め括りのアート フランク・アウアーバッハ

2020-12-31 23:06:19 | アート

Frank Auerbach Sumally

今年もあと1時間、フランク・アウアーバッハに最後を飾ってもらおう。
彼は、1931年ドイツに生を受けてイギリスに帰化した現代画家。
しっかりとしたボリュームを保ちながら、形は溶解し空間と同化するかのようだ。
人間の個の存在の危うさ、肉体も魂も崩壊し塵となる脆さに抗いきれるのだろうかという問いかけを繰り返しているかのようだ。
このところ、人物を描いた絵が苦痛に感じるのだけれど、彼の絵は私を追い詰めない。
ミラン・クンデラの文学にも通じる諧調が、アウアーバッハにもあると、私には思えてならない。




重く暗いうねり マッシブアタック

2020-12-30 23:21:34 | 音楽たちーいろいろ

Massive Attack - Protection


マッシブアタックを聴いていたのは、30年以上も前のこと。
若くて激しく未熟で、貪欲にいろいろなものを吸収したいと躍起になっていた。
まだインターネットが普及していなく、情報はテレビ・ラジオ・雑誌などから得る。
マッシブアタックを知ったのは、FMラジオで坂本竜一かピーター・バラカンが紹介していたから。
近くのCDショップで入手した。
自分好みより、かなり重くて暗いグルーブ感に異質なものに触れた戸惑いと新鮮な衝撃がやってきた。
その中に、そのころよく聴いていたエブリシング・バット・ザ・ガールのボーカリストのトレーシー・ソーンが参加する曲で、ぐっと自分に近くなりうれしくなったものだ。

最近話題になっている覆面アーティストのバンクシーが、実はこのマッシブアタックと関係があるのではないかとネットにあった。
確かに、イギリスのブリストルを拠点とするマッシブアタックと被るところがあるようだし、マッシブアタックのCDジャケットのデザインがそれっぽくもないこともない。
だからといって、どうとなるものではないが。

最近聴きかえしてみて、この2曲は聴きやすさもあってやはりいいものだと再確認している。

Massive Attack - Sly


グレートコンジャクションと呪術廻戦

2020-12-29 00:17:43 | 漫画やアニメ
木星と土星の大接近があった。
占星術の世界では、この現象をグレートコンジャクションといい20年毎の節目であるらしい。
しかも、今年のは世界を表象するエレメントが200年続いた土から風へとかわる一大転換期でもあった。
土が象徴する物質的社会から、風の情報や思考など非物質的価値観へと変わるそうだ。

アニメ「呪術廻戦」を家族で見ていた。
ここに登場する絶対的存在とも言える「両面宿儺」という呪いの王がいるのだが、その行動理念は快不快によるものだ。
まるで自我の原初的部分のエスのようだ。
すると、「呪い」とは人の心そのものなのだろう。
吉野順平と対峙した虎杖 悠仁が発した言葉に「もうお前を呪わない(非難しない)」とあったとき、「呪い」の悲しさを見た。
登場人物のそれぞれ葛藤は、人間の心の中にあるエスと自我と超自我のせめぎあいのようだ。
虎杖 悠仁は、「正しい死」にこだわっていて、つまりその者にとってきちんと生きてきた相応しい死のことだろう。
鬼滅の刃でもそうだったが、このところの傾向は、成功とか野望ではなく、個人にとっての価値観を問うものが多いように思う。

物質世界がある程度極まって、それに伴う歪みによる閉塞感が世界を覆っていたところに、それらを根底から揺るがそうとする事態になってきて、人は変化を迫られている。
さて、「風の時代」はどう世界を流していくのか、注意深くセンサーを利かせていこう。
それがある程度見えてくるまで、生き延びることが出来るか、そこもとても定かではないが。


見ましたよ!397年ぶりの木星と土星の大接近

2020-12-21 23:23:06 | 空・雲・星・太陽たち
日暮れ直後に南西の低い位置に輝く二つの星は、木星と土星だ。
先週の火曜日あたりは、細い月の左側にあって、うっとりするほどロマンチックだった。
昨日と今日も続けて観察、双眼鏡でも見てみた。
すると、木星と土星の位置が入れ替わっているではないか。
二日続けて観察して位置の入れ替わりを見られたことに、ちょっとうれしくなる。
出来るなら画像としてここにあげられたらいいのだけれど、さすがにそこまでの機材は持っていない。
世には素晴らしい画像をネットに提供してくれている方々が居られるので、気になる方はぜひご覧いただきたい。
さて、次回の大接近は60年後らしく、到底自分には見る事はできないので、まだしばらくの間夕方には南西の空を見上げようと思っている。


モミジバフウの可愛い実と葉

2020-12-20 22:01:54 | 植物たち


この丸くて棘棘したもの、可愛いでしょう。
モミジバフウという木の実で、葉は美しい赤に紅葉するの。
アメリカ東部原産で、アメリカン スイートガムという名前があるようで、メープルツリーと似たような葉で間違えてしまいそう。
初めてこの実に出会ったのは、植物公園の駐車場で、10年位前だったかしら。
その植物公園が閉園になるということを聞いて、この木が伐採されてしまう前に、もう一度実を拾っておきたかったのね。
なんとなく、そういう気持ちは、流れ星を見るときと似ているかもしれない。
たぶん、存在への敬意と供養なのだと思うわ。