プールヴィルの断崖の上 クロード・モネ
天気の移り変わりが過激すぎるのは日本だけではなく、全世界的に起きている。
ヨーロッパでは大雨により大洪水や、爆撃かと思うような雹に見舞われたり、かたや熱波があたりいったいを嘗め回す灼熱地獄になるところもある。
また、ジャングルといえば思い浮かべるブラジルに雪が降り積もり、何でも64年ぶりなのだという。
だから、従来に則った夏のイメージを体現している、このクロード・モネ作「プールヴィルの断崖の上」の絵を観よう。
真っ青な空に浮かぶ綿飴のような白い雲、エメラルドグリーンの海原、乾いた風がそよいでは草むらをなびかせる断崖の上は、正しい夏の光景だ。
100年前に描かれたこの風景が、この先も続いて欲しいけれど、いかなる変化を止めることは出来ないし、万物にとって変化はその宿命でもあるから、我々はそれを受容していかなくてはならないのだろう。
今にこの絵が古き時代のよき証人となるかと思いながら、先の世界がどう変化するのかを知りたい気持ちも湧いてくるのだった。