愛の賛歌
ピエロ
18世紀フランスのロココ芸術の中でも、彼の作品には寂寞とした.印象が拭えない。
貴族文化の華やかな風俗を描いているはずなのに、冷たく湿った空気が黄泉の世界から漂い流れているのだ。
まさに、絶対王政の終焉を予期していたかのように。
おや?何かどこか今と通じるものがあるのではないだろうか。
全世界に資本主義が拡大席巻し、グローバリズムの名の下に人も物も情報も、瞬く間に世界を駆け巡る。
ある意味、一方向へ収斂進化したようなものだ。
偏りは均衡を崩し、リスクが集中する側面も併せ持つ。
現在のヴァトーを挙げることはできないけれど、すでにこの雰囲気を持った表現に出合っているのではないだろうか。
メズタン