rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

アートはキメラ

2018-05-27 23:20:47 | アート

聖女ウルスラの受難

15世紀のドイツに活躍した、国際ゴシック様式の画家フランケ。
緻密かつ装飾的に描かれた宗教画のこの二枚、殉教し聖女になった物語を表すけれど、精神性よりも目の快楽が先に来るもので、本来宗教的に適っていない要素が多い。
しかし、それゆえに美術の価値があるコレクションとして、長い時間を生き抜けた。
妙な話だが、芸術とは、神聖で神々しくもあり、人の欲望を煽りそれを吸収して在り続ける、両義的な代物だ。
まさしく、アートはキメラといえようか。

聖女バルバラの追跡

心の通いあわせ方

2018-05-26 23:25:00 | 随想たち
食につられて、アニメ”甘甘と稲妻”を見た。
心をこめて作る料理が、他人や親子の絆を強くし、体はいうまでもなく心を健やかに育み、安心して生きる礎をなすのだということが描かれている。
至極当たり前のこととも思うのだが、現実にはこれが難しく、実践できる人たちがどれほどいるのだろうかとものすごく不安だ。
昔は、街中ならば総菜屋もあって、それを利用することもあっただろう、しかし、輸送が素早く、保存技術も向上し、すぐさま温められたりする器械もでき、さらにコンビニエンスストアがいたるところにある現在、料理をして食べることがある意味贅沢な行為になりつつある。
でもそれは、食事をするということが、単にエネルギー補給の生命維持という動物的本能に従うものだけになり、人に与えられた味わい楽しんで、かつ他者と幸福を共有し関係性を緊密にする高次な作用を放棄してしまう危険性を孕むのではないだろうか。
大切な人を思い料理を作り、それを分かち合うことで、心に深く刻まれることは張り知れない。
これがベースとなって、言葉で気持ちを伝えあい、交互に重ね合わせ時を過ごしていくと、人の心を安定し弾性のあるものになると思う。
今、大人も子供も、心の危機にさらされている。
時間の余裕が失われたり、過剰な業務に追われたり、何かと削られることに事欠かない。
せめて、生物の基本、食事が、ひとにとって、豊かで優しさのあるものになることを願わずにはいられない。

バーボンの香りたゆたう David Sylvian - Ride

2018-05-19 22:57:44 | 音楽たちーいろいろ
David Sylvian - Ride


バーボンを傍らに聴くデヴィッド・シルビアンは、やはり至福。
かれこれ30年以上、彼の音楽を愛している。
たぶん、これからもずっと、一生の付き合いになる音楽だ。
ふと思う、こうして音楽を楽しみ、大切な人たちと一緒にいられるのも、あと10年もあるのだろうかと。
10年だって何の根拠もない、それは神のみぞ知る。
彼の音楽には、微かに悲しみが混じっている。
バーボンの香りも酔いも、それを誤魔化すことはなく、柔らかに包み、人生の無常を浸していく。


David Sylvian + Robert Fripp - Damage

こりゃまた寒いよ

2018-05-08 22:52:38 | 日記

雪舟 山水図

寒すぎるって、どういうこと?
毛布をぐるりと巻いていないと、居られたもんじゃない。
確か2日前が真夏日だったのは、気のせいではないはず。
雨も風もあって、思わぬ気温低下に、動物も植物も戸惑っていそうだ。
そのなんともいえない侘しさから、雪舟先生にお出ましいただく。
本当は心待ちの雨だったけれど、予想外の寒さに肩をすくめて遠い目をしているところ。
明日は、展覧会を見に行くけれど、寒すぎてちょっと残念な気分であった。



そういえば、GWだった

2018-05-06 22:15:43 | つぶやき&ぼやき
ゴールデンウィークが終了する。
特別どこかへ出かけたとかはなく、気になっていて掃除できなかったところをきれいにしたり、本を読んだり、専ら休息に努めていた。
そう、最終日の今日、美味しいケーキ”サヴァラン”が唯一の華かもしれない。
大方の見方によると、もったいない大型連休の過ごし方かもしれないが、何より人の高密度なところが苦手なものゆえ、あえてそこに分け入る勇気がもてないのだ。
人気のスポット、美味しくて行列のできる店、何とかフェスティバル・・・いやいや、無理無理。
そんなことをいっていたなら、たとえば、お花見、ベストシーズンの観光地とか、期間が限定されすぎるものを体験することなど叶おうか?
確かにこれは損。
場合によっては、多少頑張ってみないとならないだろう。
だから、会期が押し迫って、しかもテレビで紹介された展覧会を近日観に行くことにした。
それでも平日・・・と、まだ弱気ではあるけれども。
小さい人と中くらいの人が時間差でこうつぶやいていた、「ゴールデンウィーク、始まらないかな」とね。