

体外受精で胚移植後の妊娠判定の結果は
まず胚培養士からお伝えしております。
結果が陰性(妊娠されなかった)の時に
「私の体が何か悪いんでしょうか?」
「あの時○○した(重いものを持った、転んだ・・・)のがいけなかったのでしょうか?」
「着床障害でしょうか?」
という質問を受けます。
まず初めにお伝えしたいことは、
胚移植を行ったけれど着床(妊娠)しなかった原因の大部分は受精卵(胚)です。
しかし、これを聞くと
「私は卵管がつまっていたから体外受精に進んだんだけど、それが原因じゃなかったの?」
「私は抗精子抗体が原因じゃなかったの?」
と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
卵管のつまりや抗精子抗体によって体外受精に進んだことは事実です。
しかし、これらは受精の妨げの原因になっていただけで、
着床の妨げになっているわけではありません。
体外受精によって、
この受精の障壁は解消されているので妊娠に至らなかった原因は別にあることになります。
その原因が卵子、胚の質です。
質の良くない胚であれば妊娠に至りませんし(もしくは妊娠に至っても流産してしまう)、
質の良い胚であれば妊娠に至ります。
当院の勉強会に出席された方であれば、もうご存じかと思いますが、
女性の年齢が高くなるにつれ、妊娠率は顕著に低下します。
これは、“年齢が高くなるから妊娠しづらい”のではなく
“年齢が高くなると質の良い卵子(胚)が少なくなるから妊娠しづらい”のです。
年齢が高くなると卵子の質が低下する、
妊娠しづらくなるというのは異常なことではありません。
必然的に皆さんに起こる事です。
若い方であっても質の良い卵子と質の良くない卵子は共存しています。
これも普通なことです。
結果が出なかった患者様から
「私に何かできることはないですか?妊娠のためにできることはないですか?」
と聞かれる事があります。
しかし、皆さんはすでにできることはやっていらっしゃいますし、
十分に頑張っていらっしゃいます。
なかなか結果が出ず、もどかしくなってしまうかもしれませんが、
「できることはもうやったんだ。」
そう考えると少しはラクになるでしょうか。
チャンスは一回ではありません。
質の良い胚であれば妊娠します。
体外受精・顕微授精は、
受けたら確実に100%妊娠出来るというわけではありません。
だからこそ前向きに一緒に頑張っていきましょう。
チャンスは一回ではありません。
質の良い胚であれば妊娠します。

