ままならないという事

「不妊治療」って”ままならないもの”のひとつですね。
そう思います。
だいたいにして、「不」という文字がつくこと自体、許せないって感じですね。
そう思います。
私も経験してきた人間の一人です、”ままならないもの”を数多く・・・。

よく、
「この検査、受ける必要があるんですか？」
「会社を休んでまで来るのだから、やる必要のない検査なんて受けたくありません！」
「人工授精の日にちが、前日に決まるなんてふざけていませんか？」
「何でもっと早くに分からないんですか？説明してくれないと！」
等など、、、
ままならない事象に、不満を持ちたくもなりますね。
そのままならない治療をするという事に、心底、不満を持ってしまう方、
おおよそ、１００人に一人の割合でいらっしゃいます。

「不妊治療」って”ままならないもの”ですから、
ままならない事に取り組んでいるのだ！！と思ってしまった方が賢いです。
所謂、開き直りですね。
前向きで明るく賢い開き直りです。

「なんで、なんで、なんで、、、」と言って不満ながらの毎日を過ごして、
望みが叶うのであれば、
世の中の人々皆、
毎日「なんで、なんで、なんで、、、」と唱えて生活する事でしょう。
望みが叶う’なんでなんで教’なんて存在しません。
「なんで、なんで、なんで、、、」は『負』の言葉なのですから、
今日から発さないようにして生活をしてみましょう。
不満や不安から出てくる「なんで」に、良い結果はついてきません。

「この検査、受ける必要があるんですか？」と不機嫌に仰る方に、
反対に、
「受ける必要のない検査を勧める専門施設があると思っているのですか？」と、
問いたい思いにかられる時があります。

「人工授精が前日に決まるなんてふざけていませんか？」と不機嫌に仰る方には、
「あなたの卵胞の発育具合です。
　通常は、１日に1ミリ～２ミリ大きくなっていきますが、
　個人差があり、若干早く大きくなる方・ゆっくり目の方、様々です。
　排卵というものは、自分の都合通りにいくものではないので、
　ふざけてなんかいません！！」と伝えたい思いにかられる時があります。

このようなご質問というものは、
だいたいが不機嫌になって訴えてこられるものなのですね、なぜか、、、
なぜか？当然？・・・それはなぜか！です、
だって、感情的になられるような関係ではないと思うからです。
医療にも、程好い距離というものは必要であり、
その程好い距離があるからこそ、良い関係でいられるはずですから。
受ける側＝私達側は、機嫌良く明るく訴えて欲しいと願う日々なのですが、
”ままならないもの”に対してですから、つい不機嫌になってしまうのでしょうね。
それは、まだまだ未熟なのだという事です。
母親になりたいと思って通われるわけですから、
日々、学習をして、成熟していきましょう。

”ままならないもの”をしっかりと受けとめられて、
日々、頑張っておられる方も沢山おられます、
上記のデータでいえば１００人に九十九人の割合でおられます。
本当に健気に頑張っておいでです。
心から応援している次第です、望まれる結果を手にして欲しいと願ってやみません。

ですので、ままならないものだと思えない方々には、
早い時点で把握される事をお勧め致します。

ままならないのは、「不妊治療」だけではありませんね。
その先に待っている子育ても、相当”ままならないもの”です。
というよりも、、、
人生そのものが、まさに”ままならないもの”なのですよね。
だから、皆、思考錯誤しながら、一生懸命に努力をして生きていくのでしょうね。


ーｂｙ事務長ー


とくおかレディースクリニック