

10月8日に、
京都大学の山中教授がノーベル医学生理学賞を受賞してから一ヶ月です。
一躍有名になったiPS細胞ですが、
生殖医療・不妊治療にもつながる部分があります。
様々なメディアで報道されていたので、
みなさん御存じだとは思いますが、
簡単にiPS細胞についてご説明致します。
iPS細胞は、様々な臓器や組織になることのできる細胞です。
私たち人間の身体は約60兆個の細胞でできています。
しかし元々は、
一個の細胞(受精卵)でした。
ということは、
私たちの皮膚も臓器も全て受精卵だったわけです。
ところが、
今の私たちの皮膚細胞は皮膚にしかなれません。
肝臓の細胞も肝臓にしかなれません。
これを変えたのがiPS細胞です。
皮膚などの細胞に特殊な操作を加え、
様々な組織になれる能力を得た細胞がiPS細胞です。
つまり、
皮膚細胞から作られたiPS細胞から卵子や精子を作る事ができるわけです。
しかし、
現在の日本では、
文部科学省の
「ヒトiPS細胞又はヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成を行う研究に関する指針」により
ヒトiPS細胞から作られた精子や卵子を受精させることが禁止されています。
将来的に、
技術の向上や、法整備によりiPS細胞が生殖分野で利用できることになれば、
今現在、不妊で悩んでいるが治療を受ける事ができない人達
(卵巣がない、子宮がない、精子がない。
ドナー・代理懐胎を除いて今の技術では妊娠が不可能)にとって、
大きな希望になるのは間違いないところです。
いま、不妊治療を受けられている方々は治療方法があるので頑張られているわけです。
ぜひその方法を活用してください。
ステップアップに踏み出せないこともあるかもしれませんが、
必要のない方にステップアップを勧めることはありません。
より可能性の高い方法を活用し、少しでも早く結果が得られるよう治療を進めています。



