9月のラボ便り
皆さんこんにちは。
先月のラボ便りでは、喫煙と妊娠の関係についてお話し致しました。
今月のラボ便りは、お酒(アルコール)と妊娠の関係についてです。
まず、妊娠の飲酒が胎児に及ぼす影響はどうでしょうか。
日本産婦人科医会によると
「妊娠中のアルコールにより、流産、死産、先天異常が生じる。
アルコールが催奇形性を有することは明らかである。」
とのことです。
先天異常としては
1.子宮内胎児発育遅延と成長障害
2.精神遅滞や多動症などの中枢神経障害
3.特異顔貌、小頭症などの頭蓋顔面奇形
4.心奇形、関節異常などの種々の奇形
です。
1日のアルコール摂取量が15ml未満(缶ビール350ml、ワイン:グラス1杯など)では、
胎児への影響は少ないとされていますが、
胎児に異常のあった母親の多くは60~90mlを連日ではなく時々飲んでいたそうです。
この場合は、1日に換算すると少なくなります。
つまり、少ないアルコール量でも胎児に影響を及ぼす可能性があるということです。
次にアルコールの妊娠・出産のしやすさへの影響はどうでしょうか。
Effect of Alcohol Consumption on In Vitro Fertilization
という論文によると
・1週間に4杯以上お酒を飲む女性は出生率が16%低くなる
(飲酒量が4杯より少ない女性を100とした場合)
・夫婦ともに1週間に4杯以上飲む夫婦の出生率は21%低くなる
(飲酒量が4杯より少ない夫婦を100とした場合)
とのことです。
つまり、アルコールは胎児への影響だけでなく、妊娠・出産へも影響があると考えられます。
妊娠するまでは適量にし、妊娠したら飲酒はしない、
というのが良いのではと思います。
とくおかLCラボスタッフより
とくおかレディースクリニック