5月の看護部・検査部便り その1
こんにちは。
だんだんと暖かい日も増えてきましたね。
昼間は少し動くと汗ばむくらいですが、朝晩はまだ冷え込む日もあります。
季節の変わり目ですね。
どうぞご自愛なさってくださいね。
今回は筋肉注射に関してお話し致します。
まず不妊治療では、
質の良い卵を育てたり、安定した内膜を作り、より妊娠しやすい環境を整えるためにお注射が必要となります。
その中でも最も多いお注射が、筋肉注射です。
肩の筋肉か、お尻の筋肉のどちらかに打ちます。
効果はどちらに打っても変わりません。
一般に「筋肉注射は痛い」と思われている方も多いかも知れません。
確かに筋肉注射では、筋肉まで針先が届くよう、丈夫な太い針を使います。
皮膚には痛みを感じるセンサーと言われている痛点が無数に分布しており、
皮下組織や筋肉にも同様に点在しています。
針が太いほどそれらを刺激しやすくなりますので、
筋肉注射は他の注射よりも痛みを感じやすいと言われています。
また、注射液が組織や血管を圧迫する痛みもあります。
筋肉注射では、薬液は筋肉組織を圧迫し、
筋肉内の血管に吸収されて血管を押し広げます。
特に筋肉組織は皮下組織よりもすき間が少なく組織が密集している部位なので、
痛みも大きくなりやすいですし、
この際に炎症が起きてしまい、熱を持ったり赤く腫れるという症状がでるといったことも多々あります。
これらの反応は全ての方に起こり得る症状で異常ということではありません。
注射の薬液は水溶性と油液性の、二種類に分けられます。
サラサラっとしたものと、ドロっとしたものの二種類です。
筋肉注射であれば、
基本的にこの二種類のどちらのお注射を射ったあとでも5分ほど注射した部位を揉んでいただくということは一緒です。
また、注射後に筋肉痛の様な痛みや腫れ、赤みや熱を持つという症状がでることも注射の種類に関係なく同様に起りえます。
ですが、
どちらかといえば油液性のお注射の方が、打ったあとの腫れなどの症状が出現しやすいのです。
当院で使用している注射では、移植時に内膜を育てたり、
妊娠を維持する黄体ホルモンの注射(プロゲステロン注射)が油液性のものです。
このプロゲステロン注射は卵を育てるHMGのお注射よりも、注射後の症状が比較的多く出現します。
これは、油液性であるプロゲステロン注射の方が、
筋肉組織を圧迫する力、筋肉内の血管を押し広げる力が水溶性の薬剤よりも強力であるためです。
その為に、炎症を引き起こし、熱を持ったり赤く腫れることがHMG注射よりも多いのです。
また、吸収されるための時間もかかり、しこりにもなりやすい種類です。
次回は、
プロゲステロン注射に関して皆さんから多く受ける質問や接種後の注意点についてご紹介いたします。
とくおかLC看護部・検査部スタッフより
とくおかレディースクリニック