3月のラボ便り
皆様、こんにちは。
3月も中旬を過ぎ、少しづつ春らしくなってきていますね。
今回は、
抗精子抗体についてお話します。
人の体には、細菌やウイルスなどが入ってくると、
これを攻撃して体を守ろうとする働きがあります。
この時に働く物質が“抗体”です。
細菌やウイルスが悪い働きをしないようにするタンパク質の一種です。
しかし、
抗体は、細菌やウイルスなどの悪い物に対してだけ作られるのではなく、
女性の体内に入った精子に対しても作られてしまうことがあります。
これが、
抗精子抗体です。
男性でも、自分の体で作られているはずの精子に対して、
抗体を持っていることもあります。
不妊女性・不妊男性のそれぞれ約3%が、
抗精子抗体を持っているとされます。
抗精子抗体には、さまざまな種類があります。
その中で不妊に関係するのは、
精子の尾部の運動を阻害する抗体(精子不動化抗体)と、
精子と精子をくっつけてしまう抗体(精子凝集抗体)です。
これらの抗体があると、
精子の動きが阻害されてしまい、不妊の原因となります。
抗体には、抗体の強さ(抗体価)があります。
抗体が強いと、
体の中に入ってきた精子を強力に止めてしまうということになります。
その場合、
タイミング治療や人工授精での妊娠は可能性が低く、
体外受精の適応となります。
当院では、
抗体の有無を調べる検査と、
抗体があった場合に抗体の強さを調べる検査があり、
院長先生の判断に応じて行います。
抗体がある事に気づかず、
貴重な治療周期を無駄にしてしまうことがないよう、
早い段階で抗精子抗体を調べていくようにしましょう。
追伸 - 写真は去年のものですが、近所の公園で満開だった桜です。
クリニック近くにもたくさん桜の木があります。
段々と暖かくなってきましたね。
今年の桜も楽しみです。
とくおかLCラボスタッフより
とくおかレディースクリニック