大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『2GUNS』

2013-11-03 06:44:27 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『2GUNS』


これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。


本来 昨日、これと“42”を見る予定でしたが、朝っぱらから大頭痛、今日に延ばして“42”は堪忍してもらいました。
 体調万全とは行かないものの、これ以上ワガママ(本来、この2本プラス“パーシー・ジャクソン2”“SPEC”をオファーされとりましたが、どちらも蹴ってますもんで)は、なんぼなんでも言えません〓

 重い頭を支えながら映画館に入ったのですが……ゲンキンなもんです、映画が面白かったので重い頭も軽くなって、現状 頭痛の再発も無し……いやはや、我ながら……〓
 さて、今作 ド派手なクライム・アクションです。原作小説があるかと思っていたのですが、またもやグラフィック・ノベル(漫画)が原作でした。
 アメコミと言えば派手なコスチュームヒーロー物しか無いイメージが強いのですが、現在 極少数ながら純然たる犯罪スリラーも存在するようです。
 元々、20世紀初頭から50年代に猖獗を極めたパルプフィクション(安物の探偵小説やSF、ポルノ)の影響下で誕生していますから、かつては様々なジャンルの作品が有りました。第二次大戦後 一気に広がったのですが、60年代に入る直前、「子供に悪影響を与える」ってんで焚書され、以降 勧善懲悪以外のコミックは一掃されてしまいました。
 これは、当のアメリカ人も認めていますが、アメリカンの単純お馬鹿の証明です。なんせ、中世ヨーロッパで焼かれた魔女容疑者よりも近代から現在に至るアメリカで魔女狩りに会った犠牲者の方が圧倒的に多いのですから、何をか言わんやであります。
 それはさておき、現在のアメコミに復活し始めたサスペンス/スリラー物は、かなり上質な作品が多いらしく(全く読んでません、なんせ1冊 高いっすから)同種の小説に引けを取らないそうであります。本作も小学館から2千円ほどで発刊されてるそうですから、興味のある向きはお手にしてみて下さい……尚、購入されたら是非ご一報を、貸してね〓

 漸く映画です。本作の目玉は、入り組んだ人間/組織関係の クンズホズレツストーリーですが、デンゼル・ワシントンがこの所定期的に取り組む悪役(トレーニングデイ/デンジャラスラン)と マーク・ウォールバークが取り組むコメディタッチ(アザーガイズ/テッド)が組み合わさっているってのが最大目玉です。面白い映画ってのは、脚本の出来、編集の巧みさなんかと同じように 何らかの“化学変化”が起きています。本作の化学変化は、まさに主役の二人が引き起こしているのです。  フリーランスの悪党ボビー(ワシントン)とスティグ(ウォールバーク)は最近コンビを組んだ。メキシコの麻薬ディーラー/パピ(E・J・オルモス/ブレードランナーでデッカードを連れにくる刑事……あの時はスリムだったのに)に偽造パスポートと引き換えにコークを貰う予定が現金を渡される、しかも もう一人組んでいた悪党は殺されて首に成っている。腹いせに(?)パピの貸金庫の300万$を狙って銀行強盗、犯行は見事に成功するが、金庫にあったのはなんと4300万$!! この金を巡ってDEA/CIA/NAVY/マフィアが絡んで二転三転、一体誰の金なのか、信じられるのは誰? 元々ボビーもスティグも何者? 謎は少しずつ明かされていくが、誰が信頼出来るのか、全貌を知る者は誰なのか、こいつが全く解らない。解らなきゃ全部集めてガラガラポンてなもんで大乱闘になる訳ですが、はて 誰が生き残って大金を手にするのか。
 ラスト、さすがの大迫力なのですが……これって、どこかで見たような……と思ったら「マチェーテ/R・ロドリゲス監督、来年2がある)」のラストにムードがそっくり。まぁ、本作の方がスマートですがね。
 他の共演者も多彩で、P・パットン(Mi:I)B・パクストン(楽しそうに悪役やってます)分かりにくいのがジェームス・マースデン、この人「Xメン」でサイクロップスをやっていた俳優さん、準主役なのにサングラスをしているか目をつぶっているか、さもなきゃ目から光線を発しているかで素顔が判らなかった、漸くメジャー作品で素顔オープン、なかなかのハンドサムであります。
 なかなか容赦の無い殺人シーンの連続で 「カタルシス」ってのとはちがいますが、これもアメリカ映画の一つのスタイル、子供に悪影響……なんぞと思うなら、大人だけで見に行って、くれぐれもスクリーンに放火などなさいませんように。お願い申し上げます。


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