大橋むつおのブログ

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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評・特別編《ああ、いっぺん言うてみたかった!》

2013-07-13 20:53:28 | 映画評
 タキさんの押しつけ映画評・特別編
《ああ、いっぺん言うてみたかった!》

これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に書いたウップンでありますが、含蓄深いものがあるので転載しました


この週末は“ベルリンファイル”か“サイレントヒル”…の予定でしたが新人ライターに行ってもらうって事で譲りました。

 まぁ、仕事抜きで行きゃいいので 見たらご報告申し上げます。

 そこで 取りあえず、“押し付け”に返していただけたメールの中で ちょくちょく言われる反応にお答えいたします。 よく言われるのが
① 書く事を前提に映画を 見て楽しめるの?
② リアルと良く書いてい るけど、そればかりだ と辛くない?
③ 3Dはそんなにダメ?この3点が割と多いのでお答えいたしますです。

①については“愚問~!”映画が大好きで楽しめなければ…毎週末映画館に通えるもんじゃ有馬線。もし、これが辛い仕事になってしまうなら、たとえ原稿料10倍になっても「ヤンペ!」であります(もっと上がるなら…まぁ考えんでもおまへんけどね) てなわけで、思いっきり楽しんで毎回ワクワクしながら映画館に通ってま~す。
②について、こいつは最低限のこだわりです。「真実は細部に宿る」のです。但し、これが価値観の総てでは有馬線。例を上げると、シュワちゃんの「ゴリラ」……例えが古くて申し訳ない、こいつが典型的!
 シュワちゃんは演技出来ない、まともな英語が喋れない、動作がトロい……の三重苦。有るのはMr.ユニバースに君臨した肉体美のみ! これを生かして「コナン」でブレイクしたのですが、この時は必死で剣の訓練をした。続く作品が「ゴリラ」 こいつは馬を車に、剣を銃に持ち替えた現代アクション。所が、銃社会アメリカ、誰しも銃は扱えると思ったか アクション監督が手を抜いた。幕が開くとシュワちゃん 全く鉄砲の扱いがデタラメでピストルさえまともに握れない。結果、腕は真っ直ぐだけど銃口は右を向いている、ターゲットはさらに左…ところが そのままブッ放すと あ~らら不思議な事にターゲットに命中!そんなアホな、あんたのピストル サイコガンかよ。

 これはチャンバラの主役たる大剣豪の切っ先がゆらゆら揺れている(龍馬伝の福山がこれだった。よせばええのに正眼に構えた所で切っ先をアップにするから…)のとおんなじですわい。SFやファンタジーも同じです。荒唐無稽な物語に観客を引っ張り込みたければ 細部を念入りに作り込まなければ見ていて白ける。ヒットラーを自殺じゃなくリヨンの映画館で死んだ事にしたければ それなりの説得力が必要です。
 細部がリアルであることは映画が守るべき最低限のルールなのです……が、中にはこれを見事にひっくり返してくれる作品がありますのですよ。またまた古くて申し訳ござんせんが、W・ゴールドバーグの“天使にラブソングを……1”と2。ギャングに追われる ベガスのショーガール/デロリスが潰れそうな修道院に隠れるってお話。設定もストーリーも 無茶押しもええとこ、2に至っては廃校寸前の高校にやってきて、短期間に聖歌隊を作り上げ、コンクールに優勝して廃校を覆す。音楽専行の生徒がデロリスの担当、こいつら反抗的な悪ガキばっかりながら変に素直で、聖歌隊結成に向かってストーリーはサクサク進んで行く、果ては優勝、廃校も取りやめ!めでたしめでたしチャンチャン。本来なら「アホか」の一言で切り捨てる所ながら……これがスンバラシイ出来上がり。これこそ映画だ! と叫びたいくらいです。
 
 リアルと並んで映画に大事なのは登場人物が「ほんまもん」である事、スクリーンの中で生きていること。彼らが生きてさえいれば映画の設定がご都合主義でも立派にドラマを紡ぎ出す。この作品、ウーピーが巧いのは当たり前として、他のキャラクターが実に活き活きしていて キャラクターの希望、喜びがそのまま観客の胸に飛び込んでくる。これこそが映画の醍醐味、本とは別のお楽しみ。だから「リアルリアル」と叫んでいるわけじゃなく、ホントはこんな作品を心から待っているのです。リアルの点から問題なく、魂が震えるような映画は存在します。しかし、私が見たいのは 見ていてスクリーンの中に入り込み、キャラクター達と一緒に笑って泣いて…映画館を出る時にホッコリ胸が暖かくなっているような作品です。ドキドキハラハラも、見終わって肩がいかってくるのもすきですが……はぁとうぉうみんぐ! これが最高ですね。
 ③は絶対譲りませんぞ!! 3Dは全く過渡期の未完成技術、こんなもんで別料金盗られるのはまっぴらです。元々が遊園地のアトラクション用、映画館でも座席を揺らしたり水を吹き出す所が出来ている、自らアトラクションだと認めているようなものです。これが楽しいんだという人をとやかくいう気は有馬線が、アタシャ絶対認めない。
 正直な所、J・キャメロンを筆頭に3Dもかなり洗練されてはきているが、まず メガネ不要にならないとダメ。ましてや現行通常作品の映像深度は相当深い、3Dなど不要。ためしに「アバター」を同一条件で見比べていただければ一目瞭然です。100万歩譲って、最初から3Dカメラで撮影した物ならいざ知らず、2Dで撮影しておいて 後からコンピューター処理で3Dにしているのはどうしょうもない。画面は暗い、画
像がぶれて 殊に早いアクションシーンだと二重に見える。3Dを見て気分が悪くなったり頭痛がするのは90%このブレが原因。 ディズニーが旧作アニメの3D化を次々に作っているが動員数は目に見えて落ちてきている。3Dファンであっても現在ロード中の「ギャッツビー」が何故3Dなのかサッパリ解らんと仰る。映画に関わるプロの中にも 立場上表立って異議申し立て出来ない人も含めたら、3Dに懐疑的な人は相当います。これで今後も続けるわ別料金も盗るわってなら、せめて3D専用劇場を作って欲しい、スクリーンは全周と行かないまでも せめてI-MAXシアター規模をもうちょい横に広げ全体にかすかにアールをつける。スーパーが不必要に飛び出さないように工夫する。後処理3Dのようなイカサマは駆逐する。
 その上で5000円でも10000円でも取って放映したらええんですわ。そしたら見に行くかって? そんな高い映画 絶対見に行きまっしぇ~ん。〓 以上であります。
 もとより“押し付け”ですから気にする必要は有馬線。あなたが気にいった作品があなたにとってベストです。誰にはばかる事なく最高!と叫んで下さい。デバイン(この名前に反応する人は相当の映画ファン…てかオタクです)の変態映画が好きっつな方もいらっしゃいます。タランティーノファンとはいつも喧嘩してます。どうか今後とも、肩肘はらずにお付き合い下さいませ。〓


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