すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

自分でもメンテナンスしていたんだぁ!

2010-10-16 | 教室

●素老日誌 2010.10.05.(リハビリ日誌 18日目)

●左手でつまんだ!

今日も昼間は行けず、夜のみ。10時半ごろに行く。

「お母さん元気よ」と職員さんから昼間の様子を聞かせていただける。

今日のおやつは、栗きんとん(れもんの手作り)だったのだが・・・

なんと、左手でつまんだ!
と言うのだ、左手で!

さらに、口を左手でぬぐったのだそうだ。

●自分で移動した!

また、車椅子から移動するとき、「痛い、痛い」と大さわぎ。

「それじゃあ、自分で行ってみたら?」と言うと、
本当に自分で立ち上がろうとしたらしい。

サポートすると、
自分でベットにゆっくりと滑り込んだというのだ。

えっ?どういうこと?

一度に事態が飲み込めない私は、しつこく聞く。

職員さんも面白そうに実演して見せてくれる。

人に抱かれて移動するときの不安感・怖さより
自分で行った方がいい!
そう思ったのだろうか?
それができると確信が出てきたのだろうか?
体が自然に動いたのだろうか?

いずれにせよ、「自分で移動する」を実行したのだ。

●右手で「左手が動きますように」

部屋に行くと母はよく眠っている。

いつもの足のマッサージをしていると母がうっすらと目を開けた。

私を確かめて、何を考えているのかじーっと私を見ている。

そして、
ゆっくり左手を動かし、
自分の胸の上に置いて止めた。
次に、左手の上に右手をそっと重ねた。
優しくさすりながら母は、言った。

「左手が動くように、ってさすっとるの」。

そういえば・・・

夜眠っているとき
母の左手が胸の位置にあることがあったなあ。

私は、「ここまで動かすことができたんだ」と思うだけだったのだが・・・。

母は、自分でも意識してメンテナンスしていたんだ・・・
そうだったんだ、そうだったんだ・・・

ささやかな変化、いや、ささやかな変化だからこそ、
傍にいるものが、しっかりと見る。
そういう人がいてくれて、
人はさらに意識的によく生きようとするのではないだろうか。

相手が人である限り、
どんな病気を抱えていても、
いくつになっても、
子育てであろうが、
介護であろうが、
みな同じではないだろうか。

だって・・・
人とは、誰もがよく生きようとしているものだから。

私は、そう思っている。

コメント
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