●素老日誌 2010.10.09.(リハビリ日誌 22日目)
今日は、久しぶりの雨に気持ちもしっとりとさせられる。
昼過ぎ、
母を見舞いたいという友人とともに母のところへ行く。
もう1人約束していた母の姪が、
すでに来てくれていた。
この姪が幼き頃、
二人は同じ屋根の下に暮らし、ずっと可愛く思い、
姪もちょくちょく母の様子を見に来てくれていた。
入院前にはレモンの里も来てくれている。
母は姪のことがわかり、泣いているところだった。
わかったんだぁ。
右手は、姪と硬く握手をしている。
そして、左手が涙をぬぐった。
ごくごく自然な動きなので、見過ごしそうになったが、
紛れもなくあの麻痺していた左手なのだ。
ここまで快復しているんだと、
あらためて驚く。
しかし、もっとびっくりしているのは、姪と友人だ。
友人は、自分の祖母の脳梗塞を経験している。
「本当に麻痺していたの? それが信じられない」。
もう会えないかと思っていた人と生きて会うことができる。
その喜びと感謝は、私には計り知れないもの。
それは、どんなにか母を勇気づけてくれることだろう。
左手は、そんなことも物語ってくれているような気がする。