つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

御舟・古径作品  絵巻物

2014年07月16日 | 絵画鑑賞

先週の土曜日に無事に展覧会を終えることができました。

 

多くの皆さまにご来店いただき、大変嬉しい10日間を過ごすことができました。

 

心よりお礼申し上げます。

 

 

 

上の画像は今回の展覧会の目玉として展示させていただきました、御舟と古径の絵巻物です。

 

長い間私達の手許にありましたが、5~7メートルの絵巻物、

 

なかなか展示する勇気が持てずに居りましたところ、

 

あるお客様に「もったいないなぁ~」と言って頂き、

 

今回工夫をして作品の一部をご覧いただくことができました。

 

ご覧頂いて皆さまの感想をお聞きするだけでも十分楽しかったのですが、

 

なんと・・お嫁入り先まで決まりました。

 

「御舟と古径の作品をいっぺんに持てると思うと、夜もドキドキして眠れなかったよ。」

 

そうおっしゃってくださるお客様のもとにこの2つの絵巻物は参ります。

 

 

作品は1930年昭和5年、御舟が40歳で他界する4年ほど前になりますが、

 

横山大観夫妻、大智勝観とともにイタリア政府主催、大蔵喜七郎男爵

後援のローマ日本美術展覧会の美術使節として渡欧した際の

旅日記「船路」(主に船上の出来事の描写)。

 

途中神戸に寄港。その際御舟とともに奈良へ趣き、博物館や薬師寺

などを見学し、大観一行を見送った古径がその様子を細かに描写

した「送別」。

 

この双幅の絵巻物となっています。

 

 

上の画像、どちらが御舟?古径?の作品かおわかりになりますでしょうか?

 

デッキでゴルフをしたり、海にはトビウオやイルカが泳いでいたり、

 

大観先生が描かれていたり、とても愉快な絵巻物です。

 

 

作品は展覧会の終了とともに箱に仕舞わせて頂きましたが、

納品までの間しばらくこの作品画像をお楽しみ頂こうと思います。

※納品の為作品画像を削除させて頂きました。

 

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鬼頭鍋三郎 油彩

2014年06月16日 | 絵画鑑賞

本日もお問い合わせを頂戴いたしました。

 

孤独感に浸りながらブログを更新している日々に大変な励ましを頂戴した思いです。

 

ありがとう存じます。

まず「買い取りはされますか?」というご質問について。

「買い取り」の看板を出させて頂いてはおりませんが、常時、鑑定・買い取りもさせて頂きます。

作品をお求めになった時の相場と現在の相場の違いに驚かれてしまうお客様もいらっしゃいます。

まずメールなどでお気軽にお問い合わせ頂き、お売りになるかどうかはご家族のみなさまでごゆっくりご検討いただければと存じます。

 

 

鬼頭といえば「舞妓」「バレリーナ」ですね。

描く女性に品格をもたらすのが鬼頭の筆であろうかと思います。

 

その鬼頭がお嬢さんを描かれるときに見せる、隙?情?のようなものを私達は好んでいます。

 

 

ノウゼンカズラは7月頃オレンジ色のラッパ形の花を数多く咲かせる蔓性落葉木で、次々に咲き、次々に散る。その美しさは変化に富んでいます。

 

250pxcampsisgrandiflora

 

 

 

 

花ことばは「光栄」「豊富な愛情」「名誉な女性」「愛らしい」「女性らしい」

 

 

鬼頭はこの「紫蔵花」に父のどんな思いを込めたのでしょうか?

 

 

 

 

凌宵(のうぜん)の花昏れがたくあでやかに 高橋淡路女

 

 

是非また皆さまのご感想をお聞かせ願いたいと存じます。

※納品の為作品画像を削除させていただきました。

 

 

 

 

 

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児玉幸雄 油彩

2014年06月16日 | 絵画鑑賞

夏の暑い日に雪景色の絵を眺めるのもなかなか乙なものです。

 

 

 

久しぶりに児玉幸雄(1916~1992年)の作品を入手致しました。

 

 

児玉のパリ風景はもう皆さんにお馴染のことと思いますが、雪景色を描いた作品は大変珍しいのではないかと思います。

 

 

軽やかなタッチで描かれながら、作品に漂う「決して軽すぎたりしない」巴里の哀愁

 

 

 

没後20年を過ぎる今でも児玉作品の人気に衰えがない理由がここにあるのかもしれません。

 

 

当店の7月の展覧会でも展示させて頂く予定です。

是非一度「夏の雪景色」をご覧になりにいらしてください。

※ 納品の為画像を削除させて頂きました。

 

 

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梅原龍三郎 水彩

2014年06月11日 | 絵画鑑賞

ご売約をいただいた作品をこうしてブログでご紹介するのもどうかと迷いましたが、

今日観ても、とても美しい作品だと思えましたので

御許可をいただいてしばらく画像を掲載させて頂こうと思います。

梅原龍三郎 水彩 「桃」です。

最近では 梅原龍三郎という画家の名をご存知の方が少なくなってきてしまっているように感じます。

名前が大きすぎるのか?値段が高すぎるのか?ご趣味にあわないのか?

美術品がお好きでも「私には関係ない画家だ」とおっしゃられるお客様もいらっしゃいます。

確かに「とても佳い」と思ったり、「好きではない」と思ったり、この仕事に携われるようになってから私自身も何度も梅原への評価が変わってきました。

「梅原はすごい画家だぁ」

梅原の作品を観るたび必ずそう口にする佐橋と一緒に美術館に行ったときのことです。


「全然佳いと思えない~」と言う私のブラウスの袖をひっぱって

 

佐橋が私を梅原の風景作品からずっと遠く離れた場所に連れて行きます。

 

「ここから観てごらん」




どんな距離をとっても作品が揺らがない。

或いは距離を取るほど作品がよく見えてくる。

 

油絵の魅力の一つ、画家の技量を知る一つの方法として「遠くで見る」方法があります。

 

水彩ながら、横に並んでいる牛島憲之、三岸節子の油絵作品に

負けない存在感を示す作品に描かれているこの桃は

水分をたっぷりと含み、ヨーロッパの果物ではなく、

間違いなく日本の桃だとすぐにわかります。

梅原龍三郎の作品はいつも

「私が今どこにいるのか?」を明るく、素直に教えてくれているように感じます。

※作品画像を削除させていただきました。

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牛島憲之作品

2014年05月28日 | 絵画鑑賞

























本日遠方のお客様より、牛島作品についてお問い合わせを頂きました。

 

牛島の作品にご興味をお持ちいただき、大変嬉しくお話をさせていただきました。

 

誠にありがとうございます。

 

 

 

今年の新春展でこの二つの牛島作品を並べ、ご来店の皆さまにお楽しみ頂きましたが

 

ブログでのご紹介をしておりませんでした。

 

今日、せっかく機会をいただきましたのでこのページで皆さまにご覧頂こうと思います。

 

 

 

牛島憲之(1900~1997年)は「静謐の画家」と呼ばれる日本を代表する洋画家の一人です。

 

都会的センスと知的な気品にみちる画面の奥には、
画家の深い精神性と気の遠くなるような描き込みの作業が隠されています。

 

油絵具を使い、ここまで日本の風景を「静かに」描ける画家に他にいたでしょうか。

 

独自に構築された画面のなかに、

牛島の日本人らしい豊かさや温かな愛情を強く感じることができるように思います。

 

 

 

 

 

共に昭和40年代、牛島68歳、70歳の作品で、西伊豆の同じ場所から描かれた作品だと考えています。


サムホールの方は空、波、舟に動きが感じられ、6号の方は穏やかな晴天の日の風景であるように観ておりますが、如何でしょうか?

今回6号の作品には「牛島縁」と呼ばれる額を新調し、サムホール作品と同じように作品に自由な広がりを感じていただけるようにいたしました。

縁あって、同じ場所を描いた二つの作品を所蔵いたしました。

これもまた画廊の仕事の楽しみの一つのように思えます。


 

 

「伊豆の富士」 6号 キャンバス・油彩 

 

※納品の為作品画像を削除させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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