OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

本を読む本 (M・アドラー他)

2006-06-23 00:49:15 | 本と雑誌

 著者は、普通の読者を「積極的読者」に高める具体的方法を示しています。
 それは、読書を4つの段階に分け、初級読書・点検読書・分析読書・シントピカル読書とステップアップさせるものです。

 こういった読書技術を高めるにあたって、アドラー氏(著者)は、読者にひとつの単純な約束事を求めます。それは、「読んでいる間、質問をし続け、また、自らも回答を考えつづけること」という約束です。

(p53より引用) どんな本を読む場合でも、読者がしなくてはならない質問は、次の四つである。
1.全体として何に関する本か。・・・
2.何がどのように詳しく述べられているか。・・・
3.その本は全体として真実か、あるいはどの部分が真実か。・・・
4.それにはどんな意義があるのか。・・・
 四つの質問を心得ているだけでなく、読みながら問いかけをすることを忘れてはならない。読みながら質問をする「習慣」は、意欲的な読者のしるしである。

 本書が薦める読書法のゴールは、同一主題について複数の本を読む「シントピカル読書」ですが、読書技術としての肝になるのは「分析読書」です。

 アドラー氏は分析読書のための「規則」を4つあげます。

第一の規則(p69より引用) 「読者は、いま読んでいるのがどんな種類の本かを知らねばならない。これを知るのは早いほどよい。できれば読みはじめる前に知る方がよい」

第二の規則(p88より引用) 「その本全体の統一を、二、三行か、せいぜい数行の文にあらわしてみること」

第三の規則(p89より引用) 「その本の主な部分を述べ、それらの部分がどのように順序よく統一性をもって配列されて全体を構成しているかを示すこと」

第四の規則(p105より引用) 「著者の問題としている点は何であるかを知る」

 だだ、これはまだ分析読書の「第一段階」です。
 このあと「著者の言葉の使い方を理解」し、「著者の伝えたいことを把握」し、「著書を正しく批評」することへと続いていきます。

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