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ドラッカー365の金言 (P・F.ドラッカー)

2006-06-30 01:11:35 | 本と雑誌

 ドラッカー氏が昨年亡くなられて以来、読んでみようと思っていた本です。

 昨今は、マネジメントスタイルが従来型企業とは全く異なる新たなサイバー系企業が脚光を浴びています。その中で、過去のエクセレントカンパニーに大きな影響を与えてきたドラッカー氏の数々の箴言は、どのような位置づけ・意味づけがなされるのでしょうか?

 やはり、氏の拠って立つ本質的な視点ゆえに、企業像が様変わりしつつある?現代においても、むしろ、そういう変革の潮目である時期であるがこそ、反芻すべき貴重な示唆が数多くあるように思います。

 たとえば、「自由の責任」についてです。

(p49より引用) 自由とは、行なうことと行なわないこと、ある方法で行なうことと他の方法で行なうこと、ある信条をもつことと逆の信条をもつことからの選択である。楽しいどころか重荷である。それは、自らの行動と社会の行動にかかわる選択の責任である。

 また、「シェア」については「最大ではなく最適」を目指すべきと言います。

(p223より引用) 市場を支配すると居眠りに襲われる。独占的な地位ともなれば自己満足に陥る。市場を支配すると、内部にイノベーションへの抵抗が生まれる。変化に対応することが難しくなる。・・・
 市場シェアとして狙うべきは、上限ではなく最適である。

 ドラッカー氏お得意のマネジメントの要諦については、次のようにまとめ、

(p346 より引用) マネジメントには基本的な仕事が五つある。
第一に、目標を設定する。・・・
第二に、組織する。・・・
第三に、チームをつくる。・・・
第四に、評価する。・・・
第五に、自らを含めて人材を育成する。

 組織については、以下のような感じです。

(p350 より引用) 組織構造にはいくつかの守るべき原則がある。
第一に、組織は透明でなければならない。・・・
第二に、最終的な決定権をもつ者がいなければならない。
第三に、権限には責任がともなわなければならない。
第四に、誰にとっても上司は一人でなければならない。

 さて、そもそも不可能なことですが、数あるドラッカー氏の箴言のうちで最高のフレーズをひとつあげるとすれば、私にとってはこれです。

(p69より引用) 変化をコントロールする最善の方法は自ら変化をつくりだすことである。
 チェンジ・リーダーとなるためには、変化を脅威ではなくチャンスとして捉えなければならない。・・・
 自ら未来をつくることにはリスクがともなう。しかし、自ら未来をつくろうとしないことのほうがリスクは大きい。成功するとはかぎらない。だが、自ら未来をつくろうとせずに成功することはない。

 本書は、オリジナルではなく、今までの氏の著作からの抜粋の集合体です。
 もちろん、氏の示唆するところの真髄を理解するには原書にあたるべきであることは言うまでもありません。が、抜粋だけでもやはり十分刺激になります。

コメント
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