OMOI-KOMI - 我流の作法 -

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赤→青→赤→青・・・(ブルー・オーシャン戦略(W.チャン・キム他))

2006-06-03 00:09:49 | 本と雑誌

Shingoki  著者たちも、ある企業が一度獲得したブルー・オーシャンが未来永劫続くとは考えていません。
 いつかは、模倣により競合他社に追いつかれることは想定しています。

(p246より引用) どのようなブルー・オーシャン戦略も、いずれは模倣されるだろう。模倣者が市場シェアを奪おうと襲ってきた場合、苦労して手に入れた顧客層を失うまいと守りを固めるのが、一般的な対応である。・・・そしてそのうちに、戦略上の思考や行動の中心には、買い手ではなく競合他社がすえられる。この状態が続くと、価値曲線の形状は他社のそれと似通っていく。
 競争の罠を避けるためには、戦略キャンバス上の価値曲線に目を光らせておく必要がある。・・・価値曲線が競合他社と似通ってきたら、次なるブルー・オーシャンの創造に腰を上げるべきだと、気づかせてくれる。

 上記のエッセンスは、競争環境の変化についても、おなじフレームワークでモニタリングをし続け、戦略の継続か変更かを判断することが重要だということです。残念ながら、ブルー・オーシャン戦略は一度成功するとそれでHappyというものではありません。豊かな海には漁船は集まってきます。

 また、ブルー・オーシャン戦略は、「レッド・オーシャンとの並存」も当然のことながら意識しています。従前からのレッド・オーシャンにおける種々のマネジメント手法についても全く否定していません。

(p248より引用) ブルー・オーシャンとレッド・オーシャンはつねに並存してきたため、現実問題として各社は、二種類の戦略に長け、両方の海で繁栄しなくてはならない。レッド・オーシャンでの競争手法はすでに理解しているはずであるから、これから学ぶべきは、いかに競争から抜け出すかである。

 この点、当初、本書を読む前は勝手に想像していたスタンスとは異なっていました。ブルー・オーシャン戦略はレッド・オーシャン戦略の「代替」ではなく「補完」もしくは「相乗」の関係に立つものと理解すべきだと思います。

 あと、蛇足ですが、自戒をこめて気になったフレーズです。(この点だけでコメントするほどではないので、ここに覚えとして追記しておきます)

(p122より引用) じかに確かめるという作業は、けっして外部委託してはいけない。自分の目で確かめるのと、間接的に報告を受けるのとでは、雲泥の差である。偉大な芸術家が、誰かの説明や表現、あるいは写真をもとに絵筆を走らせるなど、ありえないだろう。必ず画材を自分の目で見ようとするはずだ。偉大な戦略家についても同じことがいえる。

コメント
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