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会話の気遣い (「場の空気」が読める人、読めない人(福田 健))

2006-12-20 21:49:52 | 本と雑誌

 相手に対する気遣いは、常日頃の会話においても大事ですが、何らかの特別の機会(たとえば、相手が成功したときとか失敗したときといった場合)には、特に気をつける必要があります。

 「ほめる」にも「叱る」にも、きちんとした能力を身につけなくてはなりません。

(p28より引用) 叱るのは難しいがほめるのは簡単。その気になれば誰にもできる。
 右の一文は、数多いコミュニケーションに関する思い込みのなかでも、代表的なものの一つに挙げられる。なぜ、簡単であり、やさしいと考えるかと言えば、「ほめる」を「おだて」「お追従」「おべんちゃら」と同類のコミュニケーションと勘違いしているからである。これは、実に浮薄な捉え方であり、誤りである。「ほめる」には、
・人の長所、美点を見抜く眼力
・相手の良い点を受け入れる度量
・場の空気に合った適切な表現力
などの力が伴っていなければならない。

 また、緊迫した場面で、ホッと緊張を解くような一言を発することも結構難しいものです。
 なかには、こういう「ガス抜き」の役回りを驚くほどうまくこなす人がいます。まさに人柄・キャラクタとして適役というタイプです。

 著者は、「思いがけない一言」を発するための秘訣として2点挙げています。

(p188より引用) 第一に、否定的現状を肯定的に捉え直す態度を持つこと。否定的な現状に対して、「やめなさい」「いい加減にしろ」と、感情的になって責めるところからは、ユーモアに富んだ一言は生れない。

Edison  失敗であっても、それを否定的に捉えないということです。よく言われるように、失敗にもそれはそれで大きな価値があるのです。

(p189より引用) 失敗して落ち込んだような場合にも、失敗という否定的現実を肯定的に捉え直すのがよい。発明王エジソンには、次のような言葉がある。 「失敗も、このやり方ではうまくいかないということがわかっただけ、前進である」。前進と捉えたからこそ、数々の失敗を乗り越えられたのだろう。

 もう1点は、「心の余裕・オープンマインド」です。

(p189より引用) 第二に、心をやわらかく保つこと。心をやわらかく保つには、心を状況に対して開いておかなくてはならない。自分の考え、やり方に固執すると、「そんなのおかしい」「絶対間違っている」と、心を閉ざして他を受け入れようとしなくなる。・・・
 よく「事実が問題なのではなく、事実をどう解釈するかが問題である」と言われるのも、頭の中に形成された観念が勝手な解釈をするからである。体の筋肉ばかりでなく心の筋肉も揉みほぐして、やわらかな状態にしておきたい。

 たとえば、「絶対」ということばを使わないように心掛けるだけでも、肩肘張った空気が和らぐかもしれません。

(p227より引用) 努力してもうまくいかないからといって、努力する価値はいささかも変わらない。話しても通じないからといって、話すことの価値は変わらない。だからこそ、知恵が生れるのだ。

「場の空気」が読める人、読めない人―「気まずさ解消」のコミュニケーション術 「場の空気」が読める人、読めない人―「気まずさ解消」のコミュニケーション術
価格:¥ 735(税込)
発売日:2006-06

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